小湊鐵道は15日、「里山トロッコ」の営業運転を開始した。同列車は今季、土日祝日と金曜日を中心に、12月23日まで運転される予定となっている。

小湊鐵道「里山トロッコ」。五井駅から回送列車として上総牛久駅へ

「里山トロッコ」は、トロッコ4両(1号車からクハ101・ハテ101・ハテ102・ハフ101)をDB4形機関車が牽引し、上総牛久~養老渓谷間で運転される。1・4号車は窓付き車両でエアコン装備、2・3号車は窓のないオープンタイプの展望車となった。

キハ200形のトロッコ接続列車が到着。「里山トロッコ」と並ぶ

DB4形機関車は、かつて小湊鐵道で活躍したC型コッペル蒸気機関車(1923年製。愛称「4号車」)の外観を再現しつつ、ボルボ製クリーンディーゼルエンジンを搭載した"現代版機関車"に。煙突から発煙装置による煙が出るほか、ドレンコックからエアーの噴出も可能。汽笛は倉庫で眠っていた大正時代のものを磨き、そのまま搭載したという。

営業運転初日の15日は、雨の降るあいにくの天気だったが、上総牛久駅では朝から鉄道ファンらが集まり、「里山トロッコ」の到着を待ち構えていた。8時すぎ、白い煙を上げつつ、五井方面から「里山トロッコ」が姿を現し、上総牛久駅へ。レトロな外観のトロッコ列車を前に、多くの鉄道ファンがカメラを向けた。

8時20分すぎ、キハ200形のトロッコ接続列車(五井~上総牛久間)が「里山トロッコ」の隣のホームに到着。地元住民も集まる中、最初の営業列車「里山トロッコ1号」は8時30分頃、汽笛を鳴らして上総牛久駅を発車し、養老渓谷方面へゆっくりと走り出した。DB4形機関車の設計最高速度は時速40km。上総牛久~養老渓谷間の所要時間は、下り列車が61分、上り列車が56分前後とされている。次の停車駅・里見駅で記念式典も行われた。

「里山トロッコ」は11月15日に3往復運転された後、12月11日まで土日祝日と金曜日に1日2往復運転。12月12日から12月23日まで、土日祝日は1日3往復、金曜日は1日2往復の運転となる。同列車は定員制で、乗車券の他に整理券500円が必要。整理券の予約(一般)は乗車日1カ月前から2日前まで、電話にて受け付ける。なお、展望車(2・3号車)に関して、当日の天候次第で雨具や防寒具の用意が必要になる場合があるとのこと。