NPO法人 日本ネイリスト協会では、11月11日の「ネイルの日」に向けて実施した「ビジネスシーンにおけるネイル意識調査」の結果を発表した。調査は10月20日~21日、全国の20代から50代の働く男女1,000名と管理職250名の計1,250名を対象にインターネットで行われた。

「爪に何かしら施している」は2割

「あなたはネイルケア/ネイル・ネイルアートをしていますか」

働く人の指先についての現状を聞いたところ、「ネイルケア」(13.9%)、「ネイル/ネイルアート」(4.4%)、「両方を行っている」(6.9%)と爪に何かしら施していると回答した人は2割程度に。「どちらもしていない」が74.8%と多数派だった。ネイルケアやネイル/ネイルアートをしているのは、20代女性や年齢層の高い女性管理職に多いようだ。

「あなたはネイルケアやネイル・ネイルアートをどのように行っていますか」

普段ネイル全般についてどのように行っているかという質問に対しては、「自宅で自分自身で行っている」(81.0%)、次いで「サロンへ通って行っている」(24.4%)、「家族にやってもらっている」(5.1%)という順で、セルフネイル派が最多。世代別で比較をしてみると、40代の男性(22.7%)と女性(28.4%)が共に「サロンへ通っている」割合が高かった。

女性がネイルしたいのは「イベントのとき」

ネイルケアやネイル/ネイルアートを行っていると回答した人に対して、どんな時にネイルをしたいと思うかを聞いたところ、女性は「イベントのとき」(33.6%)や「気分を変えたいとき(31.1%)、「おしゃれをしたいとき」(26.3%)という回答に票が集まった。

男性の場合は、「爪の表面に筋が多くあまりキレイでなく、筋が汚れてくると嫌な気分になってくるので気になったらケアをする」(50代男性)、「爪の状態が悪いなと思った時」(50代男性)と爪の健康が気になる時や、「男なので必要ないと思うけど、気を引き締めたい時には(ネイルケアを)したいと思う」(30代男性)といったモチベーションアップのために取り入れたいという意見が見られた。

また、「プレゼンなど大事な仕事のとき」と回答した人は一般の社員よりも管理職(男性16%、女性12%)の方がポイントが高かった。

ビジネスシーンでネイルしていてよかったとき

「ビジネスシーンで、ネイルケアまたはネイル・ネイルアートをしてよかったと思うことはなんですか」

日頃ネイルケア/ネイルをしている人たちに、ビジネスシーンでネイルをしていてよかったと思うことを聞いてみると、女性は「身だしなみが整えられる」(33.6%)のほか、「気分があがる」(35.5%)、「美意識が高まる」(20.7%)と、ネイルによる自分磨きやモチベーションアップにメリットを感じていた。男性の場合も「身だしなみが整えられる」(20.2%)が最多だった。

男性を世代別で見ると、20代にその傾向が高く、34.3%がネイルを身だしなみの一部として捉えていた。職種別に見てみると、他の職業に比べて販売職は「人前にでる職業だから」(17.2%)という回答が多かった。

ビジネスシーンで好感を持たれる指先とは?

「男性の爪ランキング/女性の爪ランキング」

ビジネスシーンで好感を持つ指先について、10パターンのさまざまな爪の状態から選択する質問では、女性の指先で最も好印象だったのは「ネイルケア&シンプルネイル」(85.4%)で、「短く切りそろえた素の爪」(9.0%)や「濃いカラー&アートネイル」(5.0%)と比べ、圧倒的な支持を得ていた。

一方男性の場合は、「ケアをした爪先」(44.0%)よりも「短く切りそろえた爪(素の爪)」(56.6%)に回答が多く集まった。

ビジネスシーンで許容されるネイルとは?

実際に、今のビジネスシーンではどのようなネイルが許容されているのか、男性と女性別にそれぞれ聞いてみた。

「あなたの職場では、どのネイルまで許容されていますか」

男性は1位「短く切りそろえた素の爪」(67.0%)、2位「表面をみがいた爪」(43.4%)、3位「ネイルケアをしている爪」(42.0%)という結果となり、甘皮処理や爪をみがくなどのネイルケアも4割以上の職場で許容されていた。

「短く切りそろえるのみ(素の爪)」

女性に関しては、「短く切りそろえた素の爪」が50.6%と「表面をみがいた爪/クリアネイル」(49.3%)とほぼ同率で、次いで「ネイルケアをしている爪」(45.0%)、「ピンク/ベージュネイル」(37.8%)、「ホワイトフレンチネイル」(27.8%)など、ネイルケアやシンプルなネイルであれば、3割~5割ほどの職場で許容されていた。

「ネイルケアをしている爪(甘皮処理など)」「表面を磨いた爪/クリアネイル」「ピンク/ベージュネイル」「ホワイトフレンチネイル」

「濃いピンクネイル」「寒色ネイル」「カラフル&ストーンネイル」「フラワー柄ネイル」「アニマル柄ネイル」といったカラフルなネイルアートが許容されている職場はあまり多くなく、特に許容度が最も低かった職種は「サービス職」で、業種別では1位「宿泊業」、2位「医療・福祉業」となり、一方で、1位「事務職」や2位「専門・技術職」といったデスクワークが中心の職種においては、デザイン性の高いネイルでも許容されやすいという結果に。

「濃いピンクネイル」「寒色ネイル」「カラフル&ストーンネイル」「フラワー柄ネイル」「アニマル柄ネイル」

ビジネスシーンでネイルに悪い印象を持った経験

どのようなシーンで相手の指先を見て悪い印象を持った経験があるかを聞いたところ、1位「飲食店での給仕の際」(31.8%)、2位「接客をされた際」(27.5%)、3位「会食の際」(22.2%)となった。

「あなたはビジネスシーンで、相手の指先を見て何らかの悪い印象を持ったことがありますか?」

また、ビジネスシーンで相手の指先に何らかの悪い印象を持った経験のある人を確認すると、42.8%が「ある」と回答。特に女性の割合は高く、年代や職業別では20代女性(55.3%)と女性管理職(55.2%)が、相手の指先にがっかりした経験があると回答した。

「あなたは以下のシーンで、相手の指先を見て悪い印象を持ったことがありますか」

業種別の結果を見てみると、宿泊業(52.6%)、飲食サービス業(54.1%)、不動産業・物品賃貸業(60.4%)、金融業・保険業(51.7%)など、接客に従事している人たちは相手の指先に対しても厳しい目を向けている割合が高いことがわかった。

ネイル事情は変化している?

「あなたが新入社員として入社した時と比べて、社会全体としてビジネスシーンにおける『ネイルケア』に対する寛容度は変化していますか」

「あなたが新入社員として入社した時と比べて、社会全体としてビジネスシーンにおける『ネイル・ネイルアート』に対する寛容度は変化していますか」

職場で部下を持つ管理職に、自分が新入社員だったときと比較した現在のネイル事情について質問すると、ネイルケアについては「とても寛容になっている」(14.8%)、「わりと寛容になっている」(50.4%)と回答した人が合わせて65.2%と、社会的にネイルケアが寛容になっていると感じている人が主流だった。

さらに、ネイル/ネイルアートについての設問では「とても寛容になっている」(16.0%)、「わりと寛容になっている」(44.4%)と回答した人が計60.4%と、こちらも寛容になっていると実感している管理職が多いことがうかがえる。

業種別では、1位「宿泊業」(100.0%)、2位「運輸業・郵便業」(85.7%)、3位「飲食サービス業」(80.0%)と、一般的にネイルは絶対NGと思われていた宿泊業や飲食業などの職場でも、ネイルが寛容化してきているという傾向がうかがえた。

管理職に対し、職場でネイルをしている社員へのイメージを聞いたところ、ネイルケアについては、「身だしなみがきちんとしている」(41.6%)、「清潔感がある」(32.0%)、「オシャレ」(24.8%)と、好印象であるという回答が集中。一方、部下のネイル/ネイルアートに対しての管理職の印象は、「ビジネスシーンでは好ましくない」(37.2%)、「なんとも思わない」(24.4%)、「オシャレ」(23.6%)と全体的に厳しい回答となった。

男女別で見ると、部下のネイルアートに対して「ビジネスシーンでは好ましくない」と回答した男性管理職が45.5%だったのに対し、女性管理職は28.8%、「オシャレ」と回答した男性管理職が16.0%に対して女性管理職が31.2%と、いずれも女性上司の方がネイルに対して寛容で好意的に受け入れているという傾向がみられた。