国際ビジネスコミュニケーション協会はこのほど、TOEICテストの出題形式の変更について発表した。今回の変更は、2016年5月29日の公開テストから導入開始する。

リスニングセクションでは、3名で会話する設問も加わる

TOEICテストは、グローバルビジネスにおける英語によるコミュニケーション能力を測るテストとして、1979年に第1回公開テストを開始した。今回の変更では、日々変化する英語の使い方、そして世界における、日常やビジネスでの英語によるコミュニケーション方法が反映されるという。

今回は「リスニングセクション」「リーディングセクション」の各セクションで変更する。「リスニングセクション」では、写真描写問題と応答問題の設問数が減少。会話問題の設問数が増え、会話問題の中に発言が短くやり取りの多いものが加わるという。3名で会話する設問も設けるとのこと。

リスニングセクションの変更点

また、会話やトークの中で聞いたことと、問題用紙に印刷された図などで見た情報を関連づけて解答する設問が加わる。会話やトークの中で話し手が暗示している意図を問う設問も追加する。

さらに、「Elisions(省略形:going to が gonnaなど)」、「Fragments(文の一部分:Yes, in a minute;Down the hall; Could you?など)」を含む会話が流れるという。

リーディングセクションではチャットのやりとりも

「リーディングセクション」では、短文穴埋め問題の設問数が減少する。一方、長文穴埋め問題の一つの文章に含まれる設問が4問になり、従来の単語や句に加え、一つの文を空欄に埋める設問が加わるという。テキストメッセージやインスタントメッセージ(チャット)、オンラインチャット形式で複数名がやり取りを行う設問も追加となる。

リーディングセクションの変更点

また、読解問題で3つの関連する文書を読んで理解する設問の追加や、読解問題の設問数(1つの文書、複数の文書)が増えるといった変更も加わる。

変更による影響について、同協会は「日常生活および職場環境で使用される英語力を評価する、公正かつ妥当な、そして信頼できるテストであることに変わりはありません」としている。TOEICテストの全体的なクオリティや難易度、テストの実施方法にも変更はないという。

変更となる出題形式のサンプルや、TOEICテストに関する詳細は、TOEIC公式サイトで公開している。