俳優の福士蒼汰が、フジテレビ系で来年放送されるスペシャルドラマ『モンタージュ 三億円事件奇譚(きたん)』に主演することが6日、明らかになった。同局が"超大型スペシャルドラマ"と総力を挙げて制作されるもので、世界遺産に登録された長崎・軍艦島での撮影も敢行している。

スペシャルドラマ『モンタージュ 三億円事件奇譚(きたん)』に主演する福士蒼汰(長崎・軍艦島にて)

同作は、2010年から2015年まで、「週刊ヤングマガジン」で連載されていた『モンタージュ 三億円事件奇譚 SINCE 1968.12.10』が原作。約50年前に発生した、20世紀最大の未解決事件「三億円事件」を題材にしたストーリーで、各社による争奪戦の結果、フジテレビが映像化権を獲得した。

最初の舞台は2009年の長崎。福士演じる高校生の鳴海大和は、通学路で倒れていた瀕死(ひんし)の老人から、唐突に「お前の父親は、三億円事件の犯人だ。誰も信用するな」と告げられ、老人は亡くなってしまう。その夜、父親・鉄也は突然姿を消し、3日後に東京で水死体となって発見される。

時が過ぎて2016年、25歳でフリーターとして過ごしていた大和は、父親の形見として受け取った剣道着から、血痕が付着した旧・五百円札を発見。調べると、三億円事件で奪われた紙幣とナンバーが一致し、その後、ひょんなことからやってもいない殺人の容疑者として警察から追われ、壮大な逃亡劇が繰り広げられる。

原作を読んだ福士は「内容はもちろん、登場人物も非常に多くて、少し難しかったというのが第一印象です」と語るが、「僕のような若い人間が演じることによって、三億円事件を知らない世代の方々にも、見やすい内容になるのではないかなと思っています」と、自らの役割を認識。22歳の福士は、三億円事件についてほとんど知らなかったそうで「実際に起こった事件なんですよね…」と驚いていた。

初めて訪れたという軍艦島でのロケは「とにかく神秘的な場所だなと感じました」と印象を語り、「これまでにも、ロケなどでいろいろな場所を訪れましたが、そんな不思議な感覚に襲われるのは初めてでした」と驚きを隠さない。それだけに「撮影した映像にも、軍艦島で撮影したからこその迫力が出てくると思います」と自信を述べ、「この作品のスケール感にはなくてはならないロケ地だったと思います」と振り返った。

脚本は、映画『悼む人』『39 刑法第三十九条』、NHK『風林火山』『64(ロクヨン)』、フジ『黒部の太陽』などの大森寿美男。演出は、『救命病棟24時』『医龍』『ファースト・クラス』の水田成英。プロデュースは、『坊っちゃん』『私という名の変奏曲』『離婚弁護士』『不毛地帯』『医龍』シリーズなどの長部聡介と、『ガリレオ』『PRICELESS~あるわけねぇだろ、んなもん!~』『独身貴族』などの牧野正。

長部プロデューサーは、福士を「まさに"今"という時代の若者を象徴する俳優」と評した上で、「福士さんにこのドラマの主人公を演じてもらうことによって、三億円事件は現代に再びよみがえるのです」とコメントを寄せている。

"超大型スペシャルドラマ"と銘打っているだけあって、制作規模は「大作映画にも引けをとらない」(同局)。軍艦島でのロケに加え、三億円事件当時の1968年を忠実に再現するため、茨城県・高萩市、福島県・富岡市、群馬県・高崎市、佐賀県・佐賀市などでも、大規模な撮影を行う。