小惑星「Ryugu(りゅうぐう)」に向け航行中の無人探査機「はやぶさ2」が順調に飛行を続けている。宇宙航空研究開発機構(JAXA)によると、3日午後、約4秒噴射して最初の軌道修正に成功した。12月3日に地球に最接近して、地球の重力を利用して加速する「スイングバイ(重力ターン)」を完了する。軌道修正は地球に接近して加速するために必要で、今後さらに2回軌道修正操作をする予定。探査機の状態も良好だという。

はやぶさ2の地球最接近は12月3日午後7時すぎの予定で、地表から約3,100キロに近づく。最接近した際のスイングバイにより秒速約30キロから約32キロに加速し、約3億キロ離れた小惑星に向かう。小惑星の名前は7,300以上の応募の中から、竜宮から玉手箱を持ち帰るイメージの「Ryugu(りゅうぐう)」が選ばれ 10月5日発表された。

はやぶさ2は2014年12月に打ち上げられ、18年に小惑星に到着する。岩石などの試料を採取し20年に帰還する計画。飛行は約6年、全行程は太陽の周りを周回するために約52億キロに及ぶ。

12月3日は、日没から午後7時ごろにかけて、はやぶさ2がゆっくり飛行する姿が天文台の大型望遠鏡で鮮明に観測できるが、明るさは10等星程度のため肉眼での観測は難しいという。