リクルートホールディングスの人工知能(AI)の研究機関「Recruit Institute of Technology」は11月4日、トップにGoogle Research出身でデータマネジメントと人工知能研究において世界的権威であるAlon Halevy氏を起用し、研究開発の本拠点を米国シリコンバレーに新設したと発表した。

同社は、「2020年人材領域グローバルNo.1、2030年人材領域・販促領域グローバルNo.1」の達成に向け、「グローバルトップレベルの技術水準への進化」「既存のビジネスモデルの効率化に加えて新規ビジネスの開発」を実現するため、破壊的技術(Disruptive Technology)としてのAI研究に着目し、従来のRITを再編してAI研究所として2015年4月1日にスタートした。

さらに、グローバル規模での研究を加速させるため、技術・人材・新しいビジネスモデルが既に多く集積しているシリコンバレーに新たな本拠地を設置することにしたという。

現在のRITは「RIT推進室」として、US拠点を強化するための企画・統括業務とUS拠点での研究開発の成果をリクルートグループ各社に事業接続していく業務を担当していく予定。

Alon Halevy氏

Alon氏起用の理由については、同氏が現在のh-index(論文数と被引用数に基づいて科学者の研究に対する相対的な貢献度を示す指数)が93と非常に高く、Google Researchで10年間マネジメントをした経験を持つなど人工知能のためのデータマネジメント技術において世界的権威である研究者あり、また、自身が起業したスタートアップを過去2回バイアウトした経験もあり、高いテクノロジー開発とビジネス接続の両方の展開可能性の獲得に寄与できると判断したとのこと。

Alon氏は1993年スタンフォード大学コンピュータサイエンス学科博士号取得した後、ワシントン大学のコンピューターサイエンス学科の教授を務め、同大学にデータベースリサーチグループを創設。

エンタープライズの情報統合基盤を提供する米Nimble Technologyおよび米Transformicを創業。GoogleによるTransformic買収を契機に、Google本社のシニア・スタッフ・リサーチ・サイエンティストとして構造化データのデータマネジメント分野の研究責任者を務め、Google Fusion Tables等の研究開発に関わる。