「東京メトロ銀座線・駅デザインコンペ」第4弾の開催が27日に発表された。今回は新橋駅・溜池山王駅・赤坂見附駅のデザインを公募する「駅デザイン部門」と、新橋駅「幻のホーム活用アイデア部門」の2部門が設けられる。

東京メトロ銀座線新橋駅「幻のホーム」(画像はすべて東京メトロ提供)

東京メトロは2017年の銀座線開業90周年を見据え、全駅のリニューアルを進めるため、銀座線の魅力向上に寄与するさまざまなアイデアを公募するデザインコンペを実施してきた。第1弾の下町エリア(浅草~神田間)、第2弾の商業エリア(三越前~京橋間)、第3弾の銀座駅に続き、第4弾はビジネスエリア(新橋~赤坂見附間。ただし虎ノ門駅はデザインコンペ対象外)の3駅を対象に、デザイン・アイデアを広く公募する。

「幻のホーム活用アイデア部門」の対象となる新橋駅「幻のホーム」は、現在の東京メトロ銀座線が「東京地下鉄道」「東京高速鉄道」の2つの事業者により建設・運営された時代の名残といえる設備。東京地下鉄道の新橋駅が1934(昭和9)年に開業した後、1939(昭和14)年1月に東京高速鉄道の新橋駅が仮駅で営業開始した。両者間の直通運転に向けた協議が調わず、事業者の異なる2つの新橋駅が並列して存在していたという。

1939(昭和14)年の東京高速鉄道新橋駅の様子

東京地下鉄道の新橋駅に東京高速鉄道が接続し、両者間の直通運転が開始されたのは1939年9月から。東京高速鉄道の新橋駅(仮駅)はわずか8カ月間の営業で閉鎖となったが、それから70年以上過ぎた現在も残存しており、駅関係諸室や夜間の留置線に使用されているという。壁面のタイルで描かれた右横書きの駅名やアーチ型の柱が当時のまま残されているものの、日常的に一般公開されることはなく、「幻のホーム」とされている。

この設備の空間活用方法に関して、「幻のホーム活用アイデア部門」として「斬新でユニークなアイデアの募集」が行われることに。「駅デザイン部門」では、新橋駅・溜池山王駅・赤坂見附駅の「駅デザイン、望ましいユーザー経験」を広く募集する。

両部門ともに申込開始は10月28日から。申込み・提出の際、コンペ公式ホームページにて事前登録を行う必要がある。登録受付期間は2015年12月22日17時まで、提出期限は2016年1月6日正午(必着)とされ、一次審査・二次審査を経て最優秀賞・優秀賞などを決定。「駅デザイン部門」の最優秀賞(1点)に賞金50万円、優秀賞(1~2点)に賞金30万円、「幻のホーム活用アイデア部門」の優秀賞(1~2点)に賞金10万円が贈られる。