セイコーエプソンは10月27日、レシートプリンタの新商品としてタブレットPOSに最適化した小型・コンパクトな「TM-m10」および「TM-m30」を発表した。

TM-m10は、従来機比で1/4となる102mm×102mm×112mmの手のひらサイズを実現したレシートプリンタで、印字速度は最大150mm/秒、用紙幅は58mmに対応している(上向き排紙)。また、ロール紙の変更を容易にするリフトアップ機構も採用しており、コンパクトな筐体ながら、ロール紙の芯を取り出しやすくなる工夫が施されている。さらに、有線LAN+USBモデルとBluetooth+USBモデルの2モデル(筐体カラーとしてはホワイトとブラックの2種類が設定されているため合計4モデル)を用意。BluetoothモデルはAppleからMFiライセンスプログラム認定も取得しているため、iPad/iPhoneなどのiOS端末とのBluetooth接続が可能だ。

一方のTM-m30は、従来機比1/2となる127mm×127mm×135mmのコンパクトサイズを実現しつつ、用紙幅は58mm/80mmの両方に対応可能。モデルとしては有線LAN+USBモデルと、Bluetooth+USBモデルの2モデルを用意(筐体カラーはブラックとホワイトの2種類が設定)されている。また、消耗品であるロール紙の減りを減らすことを目的に、印字前にレシートを若干巻き戻すことでレシートのトップマージンを最小2mmにできる「用紙節約機能」も搭載したほか、オプションの活用により壁掛けも可能となっている。

さらに、このほかのオプションとしてSTN液晶を採用したUSB接続のカスタマディスプレイや、IEEE 802.11a/b/g/n対応(2.4GHz/5GHz両対応)の無線LANユニット(USBドングルタイプ)の提供も予定されている。

加えて2製品ともに筐体を覆っているパネル配置を変更することで、手軽にロール紙の排紙向きを変更することが可能(上向き/横向き)なほか、対応する小型のキャッシュドロアーも新たに開発。レシートプリンタと組み合わせてコンパクトなレジ周りを実現することが可能となった。

このほか、スマートデバイス用アプリケーション開発に向け、従来2つあったSDKを統合し、「Epson ePOS SDK」として新たに提供。これにより柔軟にタブレットPOSアプリを開発することが可能となったほか、カスタマディスプレイの文字設定なども容易に行うことが可能となった。

なお、予想市場価格はTM-m30が5万円台中盤、TM-m10が5万円台前半とのことで、同社では、2015年12月上旬の販売開始以降、1年間で約1万台の販売を予定しているとする。

TM-m30にカスタマディスプレイを接続した状態

TM-m10とTM-m30の大きさ比較

TM-m10の筐体のパネルを付け替え、排紙方向上向き(左、ブラックモデル)、横向き(右、ホワイトモデル)と並べた様子

TM-m10のインタフェース部。電源、USBポート、有線LANのほか、キャッシュドロワー専用ポート(下部)も用意されている