マイナビはこのほど、2016年卒業予定学生を対象とする、企業の採用状況と学生の就職活動状況、今後の見通しなどをまとめた「2015年度(2016年卒)新卒採用・就職戦線中間総括」を発表した。

理系学生を教える教員の8割も「スケジュール変更で悪影響あった」

今年の採用活動時期変更が自分たちの就職活動に及ぼした影響について聞いたところ、79.3%がマイナスの影響が大きかったと回答した。

採用活動時期のルール変更の影響

主な理由としては、「暑い時期に活動しなければならなかった」(60.5%)、「卒業年次の学業(卒業論文・卒業研究)の妨げになった」(55.7%)など。理系学生を教える教員の83.4%は、就職活動の時期変更で悪い影響があったと回答しており、その理由として「卒業研究や修士論文への悪影響が多かった」(79.8%)などを挙げている。

マイナスに働いたと思うポイント(複数回答)

インターンシップは広報活動開始直前の2月(冬季)の実施がピークだった。企業の動きに応えて学生の参加割合も、58.2%と前年の32.7%から大幅に増加した。

学生のエントリー時期は3月に集中し、その後は急速に減少した。実際の選考に入ると7月以前に選考を行う企業は、5月下旬から8月上旬に分散して内々定出しを行ったが、従業員数5,000人以上の大企業では、8月上旬に内々定出しが一気に集中した。

複数内々定を保有している学生数は、7月27.4%(前年同月21.8%)、8月37.8%(前年同月20.0%)と前年より増加。複数内々定を保有した状態で大手企業の内々定を獲得した学生が多いことから、例年に比べ内定辞退率が高くなっていると考えられる。

内々定を獲得した時期・従業員規模別

同社では、2017年卒の採用活動も売り手市場は続くと予測している。学生のエントリーなどの活動量がより減少することも予想されるため、「学生の企業理解不足」「内定辞退の増加」に対して、採用基準の見直しや選考時における志望度アップを促すコミュニケーションプラン設計など、積極的な対応が鍵となると見ている。