帝国データバンクは10月20日、企業概要ファイル「COSMOS2」から「株式会社」「有限会社」の代表を務める社長のデータを抽出し、業種、都道府県、就任経緯、出身大学などを集計・分析した「第3回全国女性社長分析」調査結果を発表した。なお、同様の調査は2015年3月26日に続き3回目。今回の調査で、全社長数に占める女性社長数の割合は7.51%で、13.3社に1社が女性社長であることがわかった。

業種・大分類別による女性社長比率のトップは「不動産業」(16.24%)で、次が「小売業」(10.16%)だった。最下位は「建設業」(4.66%)で、「製造業」(4.76%)が続く。

「建設業」は就業者総数に占める女性比率が低いことから、女性社長比率も低い結果となった。

業種・細分類別に女性社長比率を見ると、「保育所」が 46.64%と約半数を占めトップとなった。2位の「化粧品小売」(35.43%)、3位の「美容業」(34.46%)のように、"美"に関する業種も女性社長を多く輩出している。4位の「老人保健施設」(31.78%)、6位の「老人福祉事業」(29.40%)といった介護関連業界もランクインしている。

厚生労働省によると、保育士全体に占める女性比率が9割以上、社会保険・社会福祉・介護事業に携わる女性比率が7割以上を占めるほか、福祉サービスの充実・向上の中心的役割を担う介護福祉士の国家試験合格者のうち毎年7割以上が女性であるという。女性が多い職場環境ゆえに高い女性社長比率となっている。

都道府県別で女性社長比率を見ると、トップは「青森県」(10.19%)で、唯一の10%超えとなった。これに、「沖縄県」(9.87%)、「徳島県」(9.81%)と続く。

他方、女性社長比率で最下位だったのは「岐阜県」(4.95%)で、唯一の4%台となった。以下、「長野県」(5.63%)、「滋賀県」(5.79%)と続く。

都道府県別ランキング 資料:帝国データバンク

出身大学別女性社長数のトップは日本大学で231人。以下、慶應義塾大学(208人)、早稲田大学(198人)、青山学院大学(192人)といった関東圏の有名私大が名を連ねる。

女子大学に絞ると、女性社長数トップは日本女子大学で178人、上位15校のうち女子大は4校ランクインした。女性社長数、男性社長数ともに上位1~3位までは同じ結果となったが、4位以降はランキング順が変わり、青山学院大学や立教大学のように文系学科が多い大学ほど全学生数に占める女子学生数が多くなるため、女性社長数でも上位にランクインしている。

出身大学別ランキング 資料:帝国データバンク