ラッカスワイヤレスジャパンは10月20日、SOHO/SMBなどに向けたアクセスポイント「Ruckus Unleashed」を発表した。

これまでの業務用アクセスポイントでは、コントローラーを別途用意する必要があったが、Ruckus Unleashedはこれを不要とし、アクセスポイントライセンスも廃した。

セットアップも60秒で必要な設定が完了できるとしており、SOHO/SMBにおけるアクセスポイントの導入障壁を引き下げた。コントローラーレス製品は、小中規模の事業者が対象になることから、連携可能なアクセスポイント数が25台、Wi-Fiの最大接続数は512台に制限される。その一方で、セットアップ手順の省略とコントローラーレスにより、初期導入が数台、拠点拡大時にアクセスポイントを追加導入する際の作業が容易になるとしている。

なお、Ruckus Unleashedはハードウェアは従来より提供している「ZoneFlex R500、R600」と同一だが、ソフトウェアを改修することでコントローラーレスを実現している。コントローラーレス版については、新たに「ZoneFlex R500(R600) Unleashed」という別製品とし提供されることになる。

スマートアンテナで差別化

同日、ラッカスワイヤレスジャパンは都内で記者会見を行い、カントリーマネージャーの伊吹 仁志氏、テクニカルディレクターの小宮 博美氏が登壇した。

ラッカスワイヤレスは2004年に設立され、196カ国、5万6000社の顧客がいる。主な顧客は通信事業者とホテル、教育分野で、キャリアの構成比は3割程度となる。日本国内においては、日本法人が設立された2011年当初からKDDIとの取引もあり、「キャリア比率が他国と比べやや高い」(伊吹氏)。

通信事業者のWi-Fi市場ではCiscoやEricssonを抑え首位に立つほか、エンタープライズ市場でもCiscoとHP(買収したArubaを含む)に次ぐ3位の地位にいる。今後注力する市場はSOHO/SMBとエンタープライズの中間に位置する「ミッドマーケット」とのことで、それゆえのRuckus Unleashedの製品投入となったようだ。

「ミッドマーケットは市場規模として魅力的。ペネトレーションがまだまだ十分ではないが、ここをベースとして市場のポジションをどう向上していくか」(伊吹氏)

Ruckus Unleashedの製品自体はこれまでとハードウェアは同じだが、独自のビームフォーミング技術やチャンネル制御技術を備えている。ビームフォーミング技術では、他社製品がセクターアンテナを使っているのに対し、オムニアンテナを使いながらも、ソフトウェア制御によって特定のクライアント方向へ電波送信が可能となる。

「ラッカスの差別化ポイントはこの独自特許技術。今まではセクターアンテナだったが、我々はオムニアンテナを使った『スマートアンテナ』で、動的に方向を制御できる」(小宮氏)

近年、商業施設などでWi-Fi環境の整備が進んでいるが、これらの施設では各携帯キャリアがこぞってWi-Fiスポットを設置しているため、輻輳の懸念がある。しかし、同社のAPではこれらの技術によって干渉を最大限避けられるため、「お客さまの評判もいい」(伊吹氏)としていた。