大日本印刷(以下、DNP)は10月15日、デジタルセキュリティ分野の世界的リーダーとなるGemalto N.V.(以下、ジェムアルト)と業務提携し、NFC(Near Field Communication : 近距離無線通信技術の国際規格)搭載のスマートフォン等にモバイル決済サービスの機能をネットワーク経由で追加するクラウドサービス「DNPスマートデバイス向けクラウドペイメントサービス」を、2016年春に開始すると発表した。

同サービスは、クレジットカード番号等のカード固有の情報をクラウド上で管理し、生活者のスマートフォンにクレジット決済やプリペイド決済、電子マネーといった決済機能を安全に追加するサービス。世界で多くの実績をもつジェムアルトのクラウドペイメントソリューションを採用し、国内の企業に向けてサービスを構築、DNPのデータセンターから提供する。

決済機能だけでなく、ポイントサービスやクーポン、各種会員カード、IDカード等の機能追加も可能。スマートフォンをICカードのように機能させるICチップ「セキュアエレメント」の実装方式に関しては、既存のSP-TSMサービスが対応していた「SIM型」に加え、今回の提携によりすべての方式に対応したほか、VISAやMasterCard、JCB、American Express等の国際ブランドの決済サービスを採用する。

また、決済機能を利用する際のユーザーインタフェースとして、店頭の決済端末で、スマートフォンのNFCやディスプレーに表示した二次元コードを読み取る方式や、インターネットでIDとパスワードで認証・決済する方式などにも対応。決済サービスの安全性を高めるために、クレジットカード番号の一部をダミー番号(トークン)に置き換えてスマートフォンに格納する「トークナイゼーション」という技術も採用する。

同社は今後、同サービスを銀行やクレジットカード会社、決済代行会社、流通企業、通販事業者などを中心に、DNPモバイルWalletサービスなどとともに提案し、2019年度までの5年間で約50億円の売上を目指す考えだ。