リスキーブランドは、6月に従業員数10名以上の日本企業(外資系含む)に勤めるビジネスパーソンに対し、「企業理念」に関する調査を実施した。対象となるのは正社員として勤める19歳~64歳までの男女2,084名。

約3割の企業は理念と関係なく仕事をしている

同調査における「企業理念」とは、会社の存在意義や目的、あるいは経営哲学や思想などが示された、その会社の基本的な価値観のことを指している。企業理念は会社によって呼び名が異なることもあり、経営理念・社是・ビジョン、ミッションといった名称で呼ばれることもある。

「あなたの会社に企業理念はありますか」という問いに対し、49.6%と約半数が「明文化された企業理念がある」と回答した。20.7%は「決まった文章や言葉はないが(不文律として)企業理念がある」と答えており、合計すると約7割が会社に企業理念があると回答した。

一方で10.6%が「会社の企業理念は存在しない」、19.0%が「あるかどうかわからない」と答えた。合わせると約3割が会社の企業理念とは関係なく仕事をしていることがわかった。

あなたの会社に企業理念はありますか

企業理念の浸透度について尋ねると、「企業活動のすべてに深く浸透している」はわずか3.4%だった。しかし、「概ね浸透している」の23.3%と合わせると、全体の26.7%の会社では企業理念が浸透していることが明らかとなった。

一方で、「言葉だけで、あまり浸透していない」(16.4%)と「(企業理念とは)矛盾した言動・商品・サービスをよく目にする」(3.3%)の合計は19.7%で、約2割は企業理念が浸透・機能していないことがわかった。さらに「ない/あるかどうかわからない」を合わせると、約半数が企業理念とは無関係に働いていることがうかがえる。

企業理念の浸透度

続いて、企業理念の浸透度合いと、収益性の関連を調べた。企業理念が浸透している会社は、浸透していない会社と比べ、「2.3倍の確率で収益性がある」ことがわかった。また、企業理念が浸透していない会社の約4分の1は赤字であることも明らかとなった。

企業理念が浸透している/浸透していない企業別の収益性

成長力・社風との関連をみると、企業理念が浸透している会社は浸透していない会社と比べて、「2.6倍の確率で成長」「4.3倍の確率で社内に活気がある」ことがわかった。企業理念が「ない/浸透していない」と答えた人の3割弱は、勤務する会社の5年間の業績は下降傾向にあり、4割弱は社風に活気がないと回答している。