JR東日本は13日、山手線新型車両E235系の営業運転開始について発表した。営業運転開始日は2015年11月30日。同車両を使用した新たな広告商品の販売も発表された。

山手線新型車両E235系(量産先行車)。今年4月に東海道線でも試運転が行われた

新型車両E235系によるADトレインの車内イメージ(JR東日本提供)

E235系量産先行車(11両編成)は今年3月に落成。都内へ輸送された後、山手線など各路線で試運転が行われた。同車両は「お客さま、社会とコミュニケーションする車両」をキーワードに、前面の大きな窓や表示装置で「人と人、人と社会を繋ぐ情報の窓」を表現するなど、次世代の新型通勤電車として開発されたという。

車内情報提供装置を増設し、トレインネット環境を整備したことも特徴。デジタルサイネージは従来の「トレインチャンネル」に加え、「まど上チャンネル」「サイドチャンネル」を新設した。優先席も増設し、車いす・ベビーカー利用者が安心して利用できるように、フリースペースも各車両で整備。次世代半導体素子(SiC)を主制御器に採用して車両の消費電力を抑制し、車体強度の向上、車内・車外間の情報ネットワーク強化を図るなど、環境性能や安全性・安定性の向上にも努めた。

E235系における広告の展開方法に関して、さまざまな角度から検討を重ねた結果、「今回新たに導入される『まど上チャンネル』等のサイネージと従来の中づり広告を併用して展開することにより、新たな車内広告の価値を追求することとしました」とJR東日本。営業運転開始に合わせて広告販売も行われ、今年度は1編成を1社貸切で広告展開できるADトレイン(広告貸切電車)として、半月単位で販売されることになったという。

ADトレインの商品概要も公開されており、標準的な中間車両1両あたり、デジタルサイネージの「トレインチャンネル(17インチワイド)」8面、「まど上チャンネル(21.5インチワイド)」18面、「サイドチャンネル(21.5インチワイド)」2面、紙媒体の「中づり」6本、「ドア横新B」20枚が広告媒体に。従来車両(E231系)のADトレインと比べて、「中づり」が2枚減り、「まど上」の設定がなくなっている。

E235系の外観(JR東日本提供)

優先席・フリースペース(JR東日本提供)

「まど上チャンネル」(写真左)・「サイドチャンネル」(同右)も新設(JR東日本提供)

新型車両E235系は11月30日、大崎駅15時18分発の山手線外回り(渋谷・新宿方面)から営業運転を開始する予定(当日の運行状況などにより変更される可能性あり)。出発式の開催に関して、「詳細が決まりましたら別途お知らせします」と発表している。