トヨタ自動車は13日、新型「プリウス」に採用される先進技術を公開した。同車は2015年末の発売が予定されており、10月30日から一般公開が始まる「第44回東京モーターショー2015」にも参考出品される。

トヨタ新型「プリウス」(国内仕様・プロトタイプモデル)

今回で4代目となる新型「プリウス」は、「Beautiful Hybrid(美しい地球・美しいクルマ)」を開発コンセプトとし、優れた燃費性能の進化はもちろん、感性に響くスタイルや人中心のインテリア、ワクワクドキドキを感じさせる運転の楽しさ、先進の安全性能、そして災害時には電源供給のためのエネルギー機器になるという「社会との共存への配慮」を念頭に開発が進められた。

目標実現のため、先代モデルからの優れた燃費性能をさらに進化させるとともに、「Toyota New Global Architecture(TNGA)」によるクルマづくりの構造改革を実施。一部グレードで40km/リットル(JC08モード)の低燃費を実現するとともに、「カッコよさを際立たせる低重心スタイル」「走りの良さ・乗り心地の良さ・静かさ」といったさまざまな基本性能の大幅向上をめざしてきた。

エンジンは排気量1.8リットルの改良型2ZR-FXEを搭載。燃焼室内の気流強化やエンジン内部温度の最適化などにより、クラストップレベルの最大熱効率40%を実現したほか、モーター・トランスアクスル・パワーコントロールユニット・駆動用バッテリーの小型・軽量化や低損失化を図り、スペースの有効活用と燃費向上に貢献。暖機状態に合わせてシャッターを自動開閉する「グリルシャッター」の採用、「排気熱回収器」の小型化・回収性能の向上など、暖機性能の向上技術も低燃費につながっている。

ボディは新たな安全性評価をクリアした衝撃吸収ボディと、高強度キャビンからなる最新のGOAボディを採用。重心高を下げることで、走行時の車両の優れた安定性と、同乗者にも優しい横揺れの少ない乗り心地も実現した。疲れにくく運転操作しやすいドライビングポジション、気持ちの良いコーナリング性能やショックの少ない優れた乗り心地の実現、ハイブリッド制御改良による発進加速フィールの向上、ブレーキに回生協調式のアクティブ・ハイドロブースターの新開発によるコントロール性の大幅向上といった改良も加えられている。

歩行者検知機能付衝突回避支援型プリクラッシュセーフティ、全車速追従機能付のレーダークルーズコントロールなど、4つの先進安全機能をセットにした衝突回避支援パッケージ「Toyota Safety Sense P」も採用。低速での取回し時において、接触回避や被害軽減に寄与する「インテリジェントクリアランスソナー」、駐車時のステアリング操作をアシストする「シンプルインテリジェントパーキングアシスト」、車速や警告類をフロントウィンドウに表示する「カラーヘッドアップディスプレイ」なども採用し、ITS専用周波数(760MHz電波)を活用した通信技術で安全運転を支援する「ITS Connect」も設定した。

加えて、歴代「プリウス」で初めて実現するというE-Four(電気式4輪駆動方式)を新開発。雪道での一般的な走行における発進をアシストするほか、車両後方にシステムをコンパクトに配置することで、足元スペースやラゲージスペースを確保している。