多摩動物公園(東京都日野市)はこのほど、チーターの姉妹「デュラ」と「シュパーブ」を単独飼育にした、と公表した。

単独飼育となったチーターの「デュラ」

チーターの姉妹「デュラ」と「シュパーブ」を単独飼育に

同園のチーター「デュラ」と「シュパーブ」は2012年11月13日、群馬サファリパークにて誕生。同じ母親から生まれた姉妹となる。2014年11月12日、繁殖を目的とした貸借契約(ブリーディングローン)に基づき、同園に来園した。

希少種であるチーターは、国内外の飼育園間の連携のもと、将来を見すえた繁殖計画が進められている。同園でもチーターの繁殖に成功しており、これまでに他施設との個体のやりとりなどを通じて、チーターの保護増殖に取り組んでいるという。

チーターは本来、一部のオスを除いて単独で生活する動物だが、生まれてしばらくは3~5頭ほどの兄弟姉妹がいっしょに暮らし、母乳を飲んで育つ。生後1年から1年半ほど経って狩りができるようになった子は、乳離れして自分で生活するようになり、その後、母親は次の繁殖に向けての行動を開始。乳離れした一部のオスは2~3頭で生活し、メスは自身が子を産み育てるため、完全に自立した生活を始める。

同じく「シュパーブ」

同園では、長くチーターの繁殖が見られない時期があったが、こうしたチーター本来の生態を踏まえた飼育方法を模索した結果、手法を確立し、近年は多くの繁殖成果を上げている。方法のひとつは、オスの兄弟以外はすべて単独で飼育するということ。その結果、メスの発情がうながされる。また、オスは姿の見えないメスの発情をにおいで探そうとして、繁殖に向けた行動が活発になる。なお、チーターが初めて出産を迎えるのは3~4歳、寿命は13~15歳くらいとなる。

「デュラ」と「シュパーブ」は2歳で来園し、新しい環境に慣れるまで姉妹でいっしょに生活していた。現在ではすっかり慣れ、健康に成育し、もうすぐ繁殖適齢期を迎える。そのため2015年10月から2頭の飼育部屋を分け、本格的な繁殖準備に取り組むことにした。

同園では、新たな繁殖に向け、最善を尽くして飼育に取り組んでいきたいとしている。これまでは姉妹がいっしょに遊ぶ姿を観覧できたが、今後は2頭の二世誕生を楽しみに待つことになる。