『TIGER & BUNNY』メインビジュアル

米・ニューヨークで開催されているポップカルチャーの祭典「ニューヨーク・コミコン2015」において10日、人気アニメ『TIGER & BUNNY』のハリウッド実写映画化が発表された。

『TIGER & BUNNY』は、2011年4月からTV放送されたサンライズのオリジナルアニメ作品。「NEXT」と呼ばれる特殊能力者が存在する近未来的都市・シュテルンビルトを舞台に、スポンサーロゴを背負って特殊犯罪に立ち向かう"職業ヒーロー"たちの姿を描いた。本作は、TVアニメ業界では珍しい「キャラクタープレイスメント」と呼ばれる広告手法を本格導入したことで、TVや新聞などでも取り上げられて話題に。ビジネス界からも大きな注目を集めた。作品としても、「東京国際アニメフェア2012・第11回東京アニメアワード」でテレビ部門最優秀作品賞、キャラクターデザイン賞(桂正和氏)、声優賞(平田広明氏)を受賞し、今年「東京アニメアワードフェスティバル2015」でもファン投票No.1でアニメファン賞に輝くなど高い評価を受けている。

実写版の製作総指揮を務めるのは、映画監督としては『ビューティフル・マインド』(2011年)で「第74回アカデミー賞」監督賞・作品賞に輝き、プロデューサーとしてはTVシリーズ『24 -TWENTY FOUR-』などを手がけてきたロン・ハワード氏。「本作の提案を受けた時、即座にコンセプトに惹かれました」と語るハワード氏は、「斬新で、日本でも大きな成功を収めた作品であり、これほどユニークで力強い要素が多く盛り込まれた素晴らしいバディ作品は見たことがありません」と作品を絶賛するとともに、「タイガーやバーナビーたちを全世界の映画ファンに知ってもらうことに一役買えることを光栄に思います」とコメントを寄せた。

オリジナル版のクリエイター陣からも実写化を祝う声が上がり、TVシリーズのさとうけいいち監督は「とてもワクワクしています。ロン・ハワードの『TIGER & BUNNY』を、僕も楽しみにしています」と期待。また、劇場版で監督を務めた米たにヨシトモ氏が「日本で愛された『TIGER & BUNNY』が、世界でもっともっと愛されるとうれしいです」と語ると、シリーズ構成・ストーリーディレクターの西田征史氏も「ファンの皆さんと育てた作品が、どう生まれ変わっていくのか楽しみです」と愛着ある作品の船出を喜んだ。さらにキャラクター・ヒーローデザイン原案の桂正和氏は、「実写化ということですごく驚いています。デザイナーとして、ヒーロー・スーツがどうなるのかすごく楽しみです!」と、実写版のデザイン面に注目していることを明かした。

実写版『TIGER & BUNNY』は、All Nippon Entertainment Works(以下ANEW)とイマジン・エンターテインメント(以下Imagine)、バンダイナムコピクチャーズの3社によって製作。マンハッタンが作品の舞台である近未来的都市のモデルであることから、ニューヨークで開催されている同イベントが実写化の発表の場に選ばれ、「サンライズ・バンダイナムコピクチャーズ」パネル会場で行われた会見では、原作プロデューサーの尾崎雅之氏をはじめ、各社の関係者が登壇した。登壇者のコメント全文は以下のとおり。

製作総指揮のロン・ハワード氏

Imagine共同代表 ロン・ハワード氏:「バンダイナムコピクチャーズと、ANEWとともに『TIGER & BUNNY』をプロデュースすることを、最高にうれしく思います。ANEWから本作の提案を受けた時、即座にコンセプトに惹かれました。斬新で、日本でも大きな成功を収めた作品であり、これほどユニークで力強い要素が多く盛り込まれた素晴らしいバディ作品は見たことがありません。タイガーとバーナビーの人物像は非常に奥が深くダイナミックで、心理的に複雑に絡み合った関係性を持っています。彼らを全世界の映画ファンに知ってもらうことに一役買えることを光栄に思います。

バンダイナムコピクチャーズ常務取締役 尾崎雅之氏:『TIGER & BUNNY』のハリウッド実写リメイクは、アニメーションの企画開発の段階からひそかな希望として胸の内にありましたが、ご縁も含めてさまざまな条件が整わない限りはOKできるものではありませんので、現実的には難しいだろうと考えておりました。

ANEW様からのご提案で最も印象に残ったのは、実は条件うんぬんではなく、何より作品に対する敬意と深い愛でした。数年にわたってさまざまな局面を共に乗り越えられたのは、アンマリーさんをはじめとするANEWスタッフの"タイバニ愛"があったからこそだと思っております。交渉の過程で最も重視したポイントは、原作チームによるクオリティーコントロールが可能であるかという点と原作アニメの継続展開における自由度の高さです。これまで作品を支えてくださったファンの方々を裏切ることはできませんから。

また、Imagine様は圧倒的な実績を誇る世界的なプロダクションであり、さとう監督をはじめ我々一同は、ロン・ハワードさん、ブライアン・グレイザーさんが生み出して来られた作品を敬愛しております。ロンさんをはじめとするImagineの皆さんとお会いして、クリエイティブな情熱を肌で感じることができました。ANEWとImagineの両社は、『TIGER & BUNNY』という作品をあらためて世界中の老若男女にお届けするための最高のパートナーであると確信しております。

Imagine共同代表 ブライアン・グレイザー氏:『TIGER & BUNNY』のクリエイターの方々は、ストーリーテリングの世界における我々の同志だと思っています。今後、ハリウッドを皮切りに『TIGER & BUNNY』を全世界に展開するに当たり、彼らと協業することで、本プロジェクトはさらに豊かに、そして、さらに強いものになっていきます!

ANEWシニア・バイスプレジデント アンマリー・ベイリー氏:日本で初めて『TIGER & BUNNY』を見た瞬間から、作品のとりこになりました。訴求力のあるストーリー展開や、ダイナミックなキャラクターに加え、スーパーヒーロー作品の中でも今までにないコンセプト、それら全てに惹かれました。積極的に実写リメイク権取得に動いた結果、さとうけいいち監督や尾崎プロデューサーをはじめとする原作チームから信頼を寄せていただきました。これほど愛されているキャラクターたちを新たな観客に届けることを許していただけて光栄です。

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