アリスタネットワークスジャパンは10月8日、25/50/100GbE対応したデータセンタースイッチ「7060X」「7260X」「7320X」の新製品を発表した。すでに7060Xおよび7260Xは提供を開始しており、7320Xは2015年第4四半期に提供開始を予定している。価格はいずれもオープン。

「7060CX-32」「7260QX-64」「7260CX-64」

「7320X-32」

「7060CX-32」は32ポート、10/25/40/50/100GbEのマルチスピードに対応した1RUリーフスイッチで、L2およびL3の機能とワイヤスピードの性能を備え、「7260QX-64」は40GbEに対応した64ポートをコンパクトな2RUに収めた製品となり、低レイテンシーと1ポートあたり5W未満の消費電力を実現する。

また「7260CX-64」は2RUの筐体に64ポートのラインレート100GbEインタフェースを搭載し、100GbEポート密度を実現。「7320X-32」は高密度の40/100GbE接続を実現したモジュール型スイッチで32ポートの100GbE、システム全体で256ポートの100GbEをサポートし、各ポートは100GbE、40GbE、2×50GbE、4×10GbE、4×25GbEに対応。

「7050TX-72Q」「7050SX-72Q」

さらに、7050Xシリーズのボックス型スイッチにも新モデルとして「7050TX-72Q」と「7050SX-72Q」を加えた。48個の10GbEポートと6個のQSFP+40GbEポートを柔軟な組み合わせで使うことを可能とし、低消費電力と低レイテンシー、ワイヤスピードのVXLANルーティングを提供する。

各製品は、共通のArista EOS(Extensible Operating System)を基盤として動作。ソフトウェアアップグレードやインタフェース速度の変更、ネットワーク全体のロールバックをヒットレスで行うSmart System Upgradeなどの機能を備え、クラウド規模のネットワークでノンストップオペレーションを実現している。

また、クラウドネットワークに最適なネットワーク全体のワークロードのオーケストレーションと、ワークフローの自動化をターンキーソリューションとして提供する「CloudVision」を使用し、すべてのアリスタプラットフォームで運用を可能とする。

さらに、既存スイッチ製品と共通のEOSバイナリ・イメージで動作し、オープンなプログラマビリティ、VXLAN、UFTによるスケーラビリティ、ヒットレスのインタフェース速度の変更、リーフでのSmart System Upgrade、およびLANZによる運用などのEOSの機能をサポート。

そのほか、同社は40Gと100G向けの新しい光モジュールとしてマルチモード光ファイバーに対応した業界標準準拠の40GbE BiDiトランシーバーやサーバーリーフ間/リーフスパイン間の接続に適した100GbE対応アクティブ光ケーブル、100GBASE-SR4、25GbEブレークアウト・ケーブルなどの提供も発表している。

アリスタネットワークスジャパン 代表執行役社長 朴文彦氏

アリスタネットワークスジャパン 代表執行役社長 朴文彦氏は「過去20年以上にわたり、ネットワークの設計から運用まで根本的には変わっていないが、それを変えることができる唯一のイノベーションカンパニーだと自負している。データセンタースイッチマーケットに関しては1社に独占されてきたが、我々はそこに風穴をあけられる」と語った。

アリスタネットワークス 上席副社長 グローバルオペレーション&マーケティング マーク・フォス氏

アリスタネットワークス 上席副社長 グローバルオペレーション&マーケティング マーク・フォス氏は「データセンターにおける帯域ごとの市場予測では2015年時点では10GbEと40GbEがメインだが、2019年には100GbEと25GbE、50GbEの帯域が増加していく」と指摘した。

アリスタネットワークスジャパン 技術本部長 兵頭弘一氏

また、アリスタネットワークスジャパン 技術本部長 兵頭弘一氏は「100GbEのスイッチの内部やコンピューターサーバーのNIC内部では25GbEのレーンを4つ束ねることにより100GbEを実現している。そのため、100GbEのテクノロジーは25GbEをバラしてしまえば25GbEを1つの口から4リンク、あるいは25GbEを2つのグループに分ければ50GbEという従来は無かったスピードのイーサネットが構築できるため、コストパフォーマンスの観点からデータセンターから注目されている」と語った。

一方、同日にCloudVisionの新しいセキュリティ機能である「Macro-Segmentation Services(マクロセグメンテーションサービス、MSS)」も発表した。同日から実証実験を開始し、一般提供は2016年上半期を予定しており、価格はオープン。

「Macro-Segmentation Services(マクロセグメンテーションサービス)」

同機能は物理リソースと仮想リソースが混在するネットワークの中で、次世代ファイアウォールやアプリケーションデリバリコントローラをワークロードやワークフローに合わせて自動的に有効化する機能。レイヤ2やレイヤ3、オーバーレイネットワークの仮想化フレームワーク全体にわたり、ネットワークトポロジを問わず適用できる。

また、物理リソースと仮想リソースの両方で負荷分散するデータセンター全体に対してセキュリティサービスを動的に有効化できるソリューション。VMware vSphereやNSXといったハイパーバイザ・リソースとの連携に加えて、ネットワーク全体の状態を一元的なデータベースで管理し、ネットワーク内のすべてのワークロードとその変化を把握する。ネットワークの中でデバイスやワークロードの追加や削除が行われたときや、別のポートやサーバーに移動したときには、リアルタイムで認識できる。

加えてマクロ・セグメンテーションは、ハイパーバイザの中でセキュリティの対象を細分化するマイクロ・セグメンテーションの考え方を拡張したもの。VMが稼働している物理ホストの仮想スイッチで実装されているマイクロ・セグメンテーションを補完して物理ワークロードから仮想ワークロードまで、セキュリティとサービスを動的に適用し、クラウドネットワークを保護する。