国民生活センターはこのほど、幼児が水で膨らむボール状の樹脂製品を誤飲し、嘔吐(おうと)の症状を発症する事故があったと発表した。樹脂製品は腸の中で膨張し、十二指腸閉塞(へいそく)を引き起こしたということで、同センターでは注意を呼びかけている。

左から、手術で摘出された異物と異物の同型品

同事故は幼児に原因不明の嘔吐(おうと)が続いたことから、保護者が医療機関を受診させたことで判明。開腹手術により摘出された異物を確認すると、吸水性のあるディスプレー用の樹脂製品であることがわかった。もともとは直径1~1.5cm程度の大きさだったものが、直径約4cmまで膨らんでいたという。

国民生活センターによれば、同製品のような「高吸水性樹脂」を利用したボール状の商品には、インテリア用品、芳香剤・消臭剤、虫よけ用品、園芸用品などがあるとのこと。これらを誤飲した場合でも、同様の事故が起こる危険性があるとして注意を呼びかけている。

同センターは商品の保管方法について「乳幼児の目や手が届かない場所に保管し、絶対に誤飲しない環境にすることが重要」と指摘。さらに誤飲に気づいたときは「速やかに医療機関を受診し、誤飲したものが高吸水性樹脂であることと、その大きさを医師に伝えてください」としている。