デルは10月6日、個人向けPCを13製品と、ゲーミング向けの液晶ディスプレイ(1モデル)を発表するとともに、都内で記者発表会を開催。ここでは発表会でのプレゼンテーションを中心にお伝えする。各製品の概要については、以下の記事を参照いただきたい。

■「Inspiron」ブランドから高コスパの15.6型ゲーミングノートPC
■コンバーチブルタイプの2in1ノートPC - 11.6型/13.3型/15.6型を用意
■Skylakeや最大2TB HDD搭載の17.3型ノートPC - 写真・動画編集向け
■デルの量販店モデル、15.6型ノートPCや19.5型オールインワンが新たに登場
■タッチ対応も選べる直販専用のSkylake搭載14型エントリーノートPC
■写真・動画編集向け高性能デスクトップPCを2モデル
■Skylake搭載の23.8型ワイド液晶オールインワンPCを2モデル
■FPSに適した144Hz駆動1ms応答の27型ワイドゲーミング液晶

15.6型ゲーミングノート「New Inspiron 15 7000」

11.6型/13.3型/15.6型の2in1、三兄弟

写真・動画編集向けの高性能17.3型ノート

新筐体の写真・動画編集向け高性能デスクトップPC

量販店モデルの15.6型ノートと背面

ゲーム向け27型液晶ディスプレイ

発表会ではまず、デル ビジネス&コンシューマー事業統括本部の原田氏が、前回の発表会で打ち出したパートナーとノートPCの強化と結果を説明。従来、デルは直販とデスクトップが強みだったが、一層の顧客ニーズをつかむためにノートPCと量販店での販売を強化している(2015年5月に方針を発表)。その効果として、2015年第1四半期から第2四半期にかけて、量販店での販売数が2倍になり、マーケットシェアの向上が得られたという。

デル 執行役員 ビジネス&コンシューマー事業統括本部 ジェネラル・マネージャーの原田洋次氏

その上で、いま注視している要素として、過去から行っている取り組みでもある「写真・動画編集」、「マルチユース」、「ゲーミング」と、これからの取り組みとなる「信頼・安心」、「上質・洗練」という5つの要素を挙げた。

信頼・安心という観点については、古くから日本でビジネスを行っていることによって、デルというブランドに力があり、これをもっと高めていく。上質・洗練に関しても、原田氏が以前ブランドマネージャーを行っていた時代は、デルのPCは「黒いおっきな箱」であったが、年々の改良でそれなりに洗練されてきた。こちらも、さらに向上させるとした。

こうした方針とユーザーニーズに応えるため、今回はPCで13製品と、かなり大幅なリニューアルを行った。最新の第6世代Intel Coreプロセッサ(開発コードネーム:Skylake)を搭載した製品も、32モデルを投入する。

【左】今年からの取り組みとして、従来の強みだった直販・デスクトップ以外の部分、つまり「量販店」「ノートPC」を強化。【右】2015年の第1四半期から第2四半期にかけて、短期の成果として量販店での販売数が倍増

【左】マーケットシェアのアップに貢献している。【右】注視してる5つの部門。PC本体の性能だけにとどまらず、ブランドイメージや安心感、質感を上げる

コンシューマーに関して、5つの注力分野に投入する製品群を紹介したのは、デルの添田氏だ。

デル クライアント製品&ソリューションマーケティング本部 コンシューマー製品部 マネージャーの添田貴嗣氏

「画像・動画編集」に対しては、XPS 8900とInspironデスクトップ、それにInspiron 17 5000シリーズをリニューアル。各シリーズともSkylake世代のIntel Coreプロセッサを搭載しており、XPS 8900にはCore i7、InspironデスクトップにはCore i5、そしてInspiron 17 5000シリーズではCore i7とCore i5のモデルをそろえた。

また、Inspironデスクトップは、前モデルと比べて約45%、筐体サイズを小型化。これから写真・動画編集を行う人にとって、扱いやすい本体サイズを重視している。

「マルチユース」では、市場で好評を得ている2in1タイプを大きく強化。以前からあるIn11.3型のspiron 11 3000シリーズ 2-in-1は、Skylake世代のCore i3プロセッサを搭載した。13.3型のInspiron 13 7000シリーズ 2-in-1は、同じくCPUをSkylake世代のCore i3/i5/i7と取りそろえ、SSDモデルも用意。

さらに、15.6型という大きめの2-in-1となるInspiron 15 7000シリーズ 2-in-1も投入。フルHD(1,920×1,080ドット)の画面解像度を持ち、一般的なスタンダードノートPCとして使いやすく、シーンに応じてタブレットスタイルなどに変形させられる。

画像・動画編集向けとしては、XPS 8900/Inspironデスクトップ(左)とInspiron 17 5000シリーズ(右)のリニューアルで対応

マルチユースという点に対して、2-in-1ノートパソコンInspiron 11 3000シリーズ2-in-1(左)、Inspiron 13 7000シリーズ2-in-1(右)のリニューアル

今回もっとも目を引いたのは「ゲーミング」だ。「ゲーミングPCは欲しいけど、デルのAlienwareほどの尖ったデザインと価格では厳しい」というニーズに応えるべく、Inspiron 15 7000シリーズを投入する。Skylake世代のCore i5プロセッサとNVIDIA GeForce 960Mを搭載し、ハイブリッドHDDやデュアルクーリングファンも採用。普段使いにも問題ないゲーミングPCを目指した。

【左】さらにInspiron 15 7000シリーズ2-in-1を投入。15インチFullHDということで、より普段使いにもマッチするという。【右】普段使いにもマッチする尖っていないゲーミングPC、Inspiron 15 7000シリーズ。見た目はあまり尖っていない一方、クーリング性能を上げるために光学ドライブが省略されている

「安心」面では、一つ上のサポートが受けられる量販店モデルを紹介。量販店で販売される製品はユーザーサポートのレベルが一段高く、コンシューマーのベーシックサポートを担当する中国・大連の非日本人オペレーターでなく(日本語会話は可能だが)、プロサポートや法人向けサポートとして使われている宮崎のコールセンターで対応するという。加えて、包括的なケアが行える(直販モデルではオプションとなる)サポートがついているのが特徴だ。

量販店モデルは、直販モデルにないカラーリングも特徴となっている。現在はInspiron 15 5000シリーズとInspiron 20 3000シリーズオールインワンの投入が決定しており、発売は10月末からを予定。量販店モデルに関しては後日さらに増える可能性があると述べた。

最後の「上質・洗練」というポイントに関しては、XPSシリーズの新製品が該当するそうだが、これは後日になるかもと、追加投入を示唆していた。

【左】量販店向けにはInspiron 15 5000シリーズとInspiron 20 3000シリーズオールインワンをとりあえず投入。今後の追加もあり得るという。【右】上質・洗練というXPSシリーズは「割とすぐに」発表する予定だとか

大画面かつハイスペックの27型ゲーミング液晶ディスプレイ

デル クライアント製品&ソリューションマーケティング本部 ブランドマネージャーの河田浩行氏

最後に、ゲーミングディスプレイの新製品をデルの河田氏が紹介。

10月27日から発売となるS2716DGは、ゲーミングディスプレイに求められる高い応答性能(1ms)と144Hzのリフレッシュレートを持つだけでなく、2,560×1,440ドットのQHD解像度とNVIDIAのG-SYNCテクノロジに対応する。

G-SYNCを簡単にいうと、GPUとモニタが協調して動作することによって、画面表示内におけるフレーム描画の違いが原因で画像がズレるティアリングやカクつきを減らす技術・機能だ。S2716DGは、10月26日まで先行予約販売を行う(量販店およびオンラインショップ)。

【左】デルの液晶ディスプレイの中では、高スクリーンパフォーマンス・高生産性に位置付けられる「Sシリーズ」の新製品として。ゲーミングディスプレイ「S2716DG」が投入される。【右】ゲーミングディスプレイに高リフレッシュレート、高速応答性に加えて、G-SYNCテクノロジに対応している

【左】解像度は2,560×1,440のQHD。表示画素数はフルHDの1.7倍だ。【右】10月6日から約3週間、先行予約を一部オンラインショップと量販店で開始