アラクサラネットワークスは10月5日、シャーシ型コアスイッチのAX8300Sシリーズを製品化したと発表した。2016年3月からの出荷を予定しており、最小起動構成(回線収容部(PSU/NIF)を除く)価格は税別で478万円~。

AX8300S(写真は試作品のため外観・塗装は製品と異なる場合がある)

同シリーズのARPエントリ数は装置当たり最大85K(拡張版パケット転送機構を使用した場合の値。標準版PSUを使用した場合は、ARPエントリ数は32K、ACLエントリ数は64K)、ACLエントリ数は装置あたり最大128K(同)など多くの端末を直収でき、サブテラビットクラスのシャーシ型スイッチとしては高い収容能力を備えている。また、8Uサイズで、最大192本(2016年度に192回線までサポート予定)の1Gイーサネット回線を収容可能。1Uあたり約24本であり、スペースの利用効率を改善している。

同シリーズの最大ポート数は100Gが(4)ポート、40Gは(16)ポート、10Gは48/(96)ポート、1Gは96/(192)ポート、10・100・1000Mは96/(192)で、カッコ内の数字は今後順次リリースを予定している。

同社製品の強みであるフォールト・トレラント・アーキテクチャを継承した上で、CPU切替時に経路表とプロトコル状態の両方を維持するNon-Stop-Routing機能を実装し、OSPFやBGPの耐障害性を向上。フォールト・トレラント・アーキテクチャの考え方を複数装置間にも適用することで、装置間冗長をプロトコルレスかつ安全に実現したマルチシャーシ・フォールト・トレラント機能により、DR/BCP対応で必要とされるビルや局舎間冗長を提供することが可能となっている。

また、新たなセキュリティ機能ではスイッチに入ってきたパケットのうち、指定した条件にマッチしたパケットだけをミラーリングする選択ミラー機能、スイッチからセキュリティ装置やサーバへパケットを出力する際、バースト的なトラヒックを自動的に平滑化するサーバガード自動シェーピング機能、ネットワークの通過が許可されているトラヒック(ホワイトリスト)を自動的に学習するホワイトリスト機能を搭載している。

これにより、標的型攻撃などによる不正ソフトの侵入が発生した場合でも実質的な影響を抑制し、セキュリティを確保することが可能となる。また40G/100Gイーサネットにも対応しており、将来の回線速度増速にも対応できる。

さらに、既存設備で使用されている1Gイーサネット回線と将来的な増設や大容量化のための10Gイーサネット回線や40Gイーサネット回線など異なるインタフェースの収容が可能なマイクロラインカード構造を採用。1/4スロットサイズのネットワークインタフェースカード(NIF)単位で増設が可能なため、段階的な容量増設の際にも投資効率が改善できる。

加えて、ユーザが自由に機器の運用をカスタマイズできる高機能スクリプトをサポート。イベントモニタリングを行い、対象となるイベント発生を契機にメールでのイベント通知や統計情報コマンドの実行、コンフィグ変更、特定モジュール/回線の運用開始/停止などが可能となっている。

そのほか、前面吸気・背面排気のためボックス型AXシリーズとともにラックに搭載してもエアフローの管理が統一でき、データセンターやサーバルームでの利用時に効率的な温度管理が可能。同社では今後5年間で約3000台の販売を見込んでいる。