Squareは、2015年9月28日に都内で、事業者向けのビジネスカンファレンス「TOWN SQARE TOKYO」を開催し、約500名が来場した。

Squareは、店舗でクレジットカード決済を導入したい事業者向けに接触型ICカードのリーダーを提供している。カード決済機能だけでなく、現金での支払いにも対応できるPOSレジ機能や、売上などの情報をリアルタイムで把握できる分析ツールをはじめとしたビジネスツールも備えている。

なお、日本国内における導入数は、アパレル・飲食など小売店を中心に10万店舗を超えている。

今回来日した創業者兼CEO兼取締役会長のジャック・ドーシー氏は、「Squareをダウンロードすれば、商売をするのに全てのことが手に入る」と語った。また、今秋に発売を予定しているApple Payに対応したSquareリーダーの日本展開に関しては、「まずアメリカで提供を開始するが、日本でも出来る限り早く出したい」と意気込みを見せた。

Square創業者兼CEO兼取締役会長 ジャック・ドーシー氏

アメリカと日本の店舗でSquareを利用しているファーストリテイリングからは、業務情報システム部 部長の岡田 章二氏が登壇。導入の経緯や展開状況について説明した。

導入については、「柳井(ファーストリテイリング 代表取締役会長兼社長)から考えてくれ」と言われたことがきっかけ。初期の段階では、Squareが中小の小売店向けのソリューションとして広がりを見せていたため、ユニクロやGUなど、大規模なチェーン店を運営しているファーストリテイリングには合わないのではないかと危惧していたという。

しかし、2013年10月に「ウルトラライトダウン」をユニクロ銀座店の特設売り場で販売した際に、販売員がSquareを使って、その場で決済できる施策を実施したところ、好評を博したことで風向きが変わったそうだ。また、ダウンの商品コンセプトである「革新的なテクノロジー」と「モビリティ」が、Squareのコンセプトとも合致していた点も導入の一つの要因になったようだ。

その後、アメリカ・ユニオンスクエア店や大阪店などで、バレタインキャンペーンに活用したり、店舗のオープンセールで特設レジとして利用を続けていたが、現在では一部店舗において常設レジとして利用している。

Squareは通常のレジと比べてスペース効率が非常に良く、レジを待つ客を待たせることが少なくなるメリットがあるため、売上が最大で20%向上した店舗もあるという。

(左から)Square 最高事業責任者 フランソワーズ・ブロッカー氏とファーストリテイリング 業務情報システム部 部長 岡田 章二氏