保険クリニックはこのほど、40歳以上の子世代の男女各250人を対象に、「親や自分の介護」についてアンケートを実施、結果を公表した。

同調査は、9月15日の「老人の日」、21日の「敬老の日」と老後について身近に感じる機会も多くなることを受け、Webアンケートを実施。調査期間は、9月4日~7日、サンプル数は男女500人(男性250人、女性250人)、年齢は40歳~60歳だった。

「親と同居する?」、反対は賛成の2倍強に

40歳~60歳までの男女各250人に親の年代を聞いたところ、50代が0.2%、60代は9.0%、70代は43.4%、80代は31.4%、90代は2.4%、亡くなっているが13.6%となり、70際~80歳代が74.8%で大半を占めた。平成26年3月末の介護認定者数は584万人。75歳以上の3人に1人は介護が必要な状況になっている。

親が生存している432人に親と同居したいかを聞いたところ、「同居したい」が20.1%に対して「同居したくない」が48.9%いることがわかった。「既に同居している」は31.0%だった。内閣府の平成26年版高齢社会白書によると、子どもとの同居率は1980年に70%だったのが、1999年には50%を割り、2012年には42.3%と大幅に減少している。一人暮らしや高齢者夫婦のみの世帯が増えており、2012年は53.6%となっている。

親と「同居したくない」は「同居したい」の2倍以上に

半分以上は、「親の介護が心配」と回答

「親の介護について心配はありますか」との問いには、「心配」42.8%、「心配はない」8.6%、「まだわからない」39.8%、「既に介護をしている、したことがある」8.8%で、親の介護が心配もしくはすでに介護している人の割合は51.6%(223人)となった。40歳代以降になると、親の介護問題が現実味を帯びているのがわかる。

「親の介護」について、「心配がある」は42.8%

親の介護の心配事は、「費用」と「時間」

「親の介護が心配」と答えた185人に何が心配か聞いたところ、1位は「介護にかかる費用」(144人、77.8%)、2位は「介護にかかる時間」(125人67.6%)、3位は「家族への負担」(60.0%)と続いた。介護にかかる時間は介護認定の程度によってかなり異なる。また、費用に関しても介護認定の程度と自宅介護か施設介護かでかなりの開きがある。8月に、所得が一定以上の場合、公的介護サービス利用時の負担が2割にアップしたことも、費用面の心配の要因となっている。

親の介護の心配事は、1位「費用」、2位「時間」

約7割は、今後について話していない

親と今後のことについて話し合っているか聞いたところ、「話し合っていてどうするか決めている」人は12.5%(54人)、「話し合っているが、決まっていない」人が19.7%(85人)おり、67.8%は「何も話していない」との結果となった。最近では終活という言葉も浸透しているものの、「子世代からは介護になったらどうする?」と親に直接聞くのに抵抗がある人も少なくなく、お互いが話しやすくなる場や機会の提供も今後の課題となると思われる。

今後について、67.8%は「何も話していない」と回答

「自分で介護する」のは約34%のみ

親が生存している432人に介護状態になったらどうするか聞いたところ、第1位は「介護施設に入所させる」(154人、35.6%)、第2位は「自分で在宅介護する」(134人、31%)だった。「すでに介護している」(14人、3%)を合わせ、「自分で介護する」のは約34%となった。その他の意見で多かったのは、「まだわからない」となった。

親が介護状態になったら、「介護施設に入所させる」が最多に

親の介護、約4人に1人は「何もできない」

自分でできる介護の種類について聞いたところ、第1位は「買い物」、第2位は「掃除」、第3位は「洗濯」となった。この3つについては、半数以上の人が「自分でできる」と考えている。一方で、432名中106人(24.5%)は「何もできない」と回答。自分では何も介護することができない分、前問で、介護施設や他の人にお願いをする人が多かったのも頷ける結果となった。

親の介護、約4人に1人は「何もできない」

約42%は、自分の介護が「心配」

40歳~60歳の500人に、自分の介護について心配か聞いたところ、半数は「まだわからない」だったが、212人(42.4%)は「心配」と感じていることがわかった。「親の介護が心配」と答えたのが185人(42.8%)と、自身の介護保険料も払い始める40歳以降は、親だけでなく自分の老後や介護についても、考え始める年齢だと言える。

4割強が、自分の介護が「心配」と回答

自分の介護は介護施設で

自分が介護状態になった時、誰に介護して欲しいか聞いたところ、36%は「介護職員」、34%は「誰にもして欲しくない」との回答だった。自分が介護状態になった時は、家族や身内に迷惑をかけたくないと考えている人が多いことがうかがえる。

家族や身内に迷惑をかけたくないと考えている人が多い

心配はしていても、準備をしている人は36%に

自分が介護状態になった時の準備をしているか聞いたところ、42.4%の人が自分が介護状態になった時のことを心配しているのに対して、準備をしている人は36%にとどまっている。少しでも早くから始めれば、少ない金額で多く準備することが可能となる。

自分が介護状態になった時の準備をしている人は、36%にとどまっている