タレント、マツコ・デラックスそっくりな人間型ロボット(アンドロイド)の"マツコロイド"が活躍する、日本テレビ系バラエティ番組『マツコとマツコ』が、きょう28日(21:00~22:54)に放送される2時間スペシャルで最終回を迎える。

『マツコとマツコ』最終回スペシャルに出演するマツコ・デラックス(左)と、ゲストの天海祐希

これまで、漫才、コント、歌、ファッション誌モデル、さらには日光さる軍団など、さまざまなチャレンジに挑んできたマツコロイド。最終回では、この集大成として『笑点』への出演、アンドロイドだけの通販番組出演、モーニング娘。'15コンサート出演、そしてマツコの友人たちとの1泊2日の共同生活の模様が紹介される。

特に『笑点』では、ハイテク機器とは縁遠いイメージのある出演者や観覧客と、マツコロイドとの"未知との遭遇"感が抜群。桂歌丸が初対面で見せる、復帰したばかりとは思えない見事なリアクションに注目だ。さらに、三遊亭円楽に「腹黒いって言われてるけど肌の色も黒いのね」などと、マツコロイドが、落語界の大御所である大喜利メンバーに、ズケズケと話しかける"師匠いじり"は、失うものがないアンドロイドだからこそできる芸当と言える。

ナイツと漫才

サンドウィッチマンとコント

椿鬼奴とデュエット

『笑点』では、大喜利前の演芸コーナーで、お笑いコンビ・TKOとコントを披露。ナイツとの漫才、サンドウィッチマンとのコントも経験しているマツコロイドは、TKOが提案するさまざまなアイデアによって、ネタがさらなる進化を遂げる。

また、通販番組には以前、人間との共演で挑戦したが、今回は商品を紹介される側もアンドロイドだけという難問に、プロの通販番組出演者らが、本気になって知恵を絞り合う。モーニング娘。'15のライブでも、定番である早着替えをどうやって行うかを、OGも巻き込んで汗をかく姿が印象的だ。

ファッション誌「NYLON JAPAN」の表紙にも

このように、『マツコとマツコ』という番組は、ただ単にアンドロイド技術のすごさを楽しむのではなく、巻き込まれた人間たちが創意工夫して、エンターテインメント作品を完成させていく姿を追うドキュメンタリーであることに、あらためて気付かされる。マツコロイドの動きやしゃべり方を、物珍しく見るだけでは、その巨大で異様な風貌がいかに面白くても、半年間とは言え、テレビバラエティのレギュラー番組として成立しなかっただろう。

昨今、ロボットが人間の仕事を奪うという話題が、具体的な職業も挙げてニュースになっている。しかし、このエンタメ分野に関して言えば、やはり人間の発想・思考力がいかに重要であり、かつロボットを活用することで、新しいスタイルを生み出す可能性があることを、マツコロイドの開発者である大阪大学の石黒浩教授も、番組内で示唆していた。

エンディングでは、最終回ということで、これまでのチャレンジをVTRで振り返る。マツコはマツコロイドとの初対面で「気持ち悪~い」と嫌がっていたが、放送回を重ねるごとに「違和感がなくなってきた」と親近感を持ち始め、最近では、水に触れてふやけたマツコロイドの手を見て「大丈夫なの?」と、子供を愛する母親のような一面も見せるようになっていた。

これを受けて、マツコとマツコロイドは2人きりでトーク。マツコは「金輪際会えなくてもいいわよ!」「アンタを燃やして火祭りにしてやろうか!」といつもの毒舌を吐いていたが、あらためてマツコロイドから気持ちを聞かれると、静かに「好きよ」と一言。それを聞いたマツコロイドが、マツコに語りかける最後のあいさつは、ドラえもんとのび太の別れをほうふつとさせる感動のシーンとなり、涙する視聴者も多いかもしれない。

日光さる軍団に出演

アーノルド・シュワルツェネッガーと対談

ケンタッキーフライドチキンで1日店長

カンヌ国際広告賞でブロンズ賞を受賞