オペラ鑑賞をしようとチケット情報を調べると、金額のバリエーションが多いことに気が付くと思います。劇場にもよりますが、数千~数万円とその差が大きいのが特徴です。初めてチケットを購入する際は、廉価な席を選べばいいのか高額な席を選べばいいのかがわからないかもしれません。ここではオペラ鑑賞の際の座席の選び方を紹介します。

初めてのオペラ鑑賞で大切なのは字幕!

実は、オペラ鑑賞の際の座席の決め方で大切なのは、ステージへの近さと字幕の見やすさかもしれません。オペラはほとんどドイツ語・イタリア語などの外国語で歌われることになります。

初めてのオペラ鑑賞では、(ストーリーを知らないと) 内容がわからないまま長時間過ごすことになる……ということにもなりかねません。そのため、初めての場合は、字幕を読むことを念頭に席を決めることも考え方のひとつです。

廉価な席と高額な席の違い

字幕は、主に上手・下手側のステージ横に表示されます。高額な席はステージに近い位置にありますので、字幕が比較的見やすいのですが、廉価な席はステージから遠くなるため、字幕から遠くなってしまいます。

また、ステージに近い高額な席には、劇場独特の迫力を味わいやすいというメリットもあります。この迫力こそがオペラの醍醐味なので、できれば高額な席を確保したいものです。ただ、座席があまりにも前の方だと字幕が読みにくいので、あらかじめ席の位置を確認してからチケットを購入するといいと思います。

廉価な席は売り切れるのが早い!

廉価な席は人気があるので、チケットの売り出し初日で満席になってしまう可能性も大いにあります。ですから、オペラのチケットは事前に売り出し日を調べておくことをオススメします。

オペラは音楽と演劇の融合です。耳で音楽を楽しむだけではなく、目でも楽しめるようにすると、もっとオペラ鑑賞を充実させることができるはずです。また、劇場ではどの席に座っても満足できるよう、座席の配置などを工夫し、字幕の見やすさを研究しています。ステージへの近さは席によって変わってしまいますが、どの席でも十分にオペラを楽しめることに変わりはありません。

画像提供・撮影協力: 新国立劇場

教えてくれたのは……

(公財)新国立劇場運営財団オペラ広報担当 桑原貴さん

小学生時代から合唱が好きで将来は音楽教師になることを決意。その勉学中の高校時代に観た「蝶々夫人」でオペラに傾倒。名古屋音楽大学声楽学科に入学。卒業後、音楽制作事務所を設立。名古屋音楽大学オペラ研究員、中学高等学校の音楽科非常勤講師の兼職を経て、1997年から新国立劇場に勤務。


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