UBICは9月25日、人工知能の成長を可視化することに成功、人工知能の成長過程を視覚的に把握し、テキスト解析の精度を効率的に向上するコンサルティングサービスの提供を開始すると発表した。

同社は、人工知能によるEメール自動監査システム「Lit i View EMAIL AUDITOR(以下、EMAIL AUDITOR)」により、企業内の大量のメールを自動的に監査し、企業が防ぎたいリスクを発見するソリューションを提供している。「EMAIL AUDITOR」に搭載された人工知能「バーチャルデータサイエンティスト(以下、VDS)」が、豊富な経験をもつ監査人(社内外の監査スタッフや弁護士など)から不正を判断する特徴を学び、監査人がすべてチェックすることが不可能な大量の電子メールのテキストから、情報漏洩やカルテルなど不正行為への関与の疑いがあるコミュニケーションや行動を、監査人に代わって見つけ出すというものだ。

今回提供開始となったサービスは、EMAIL AUDITOR導入企業に対するコンサルティングサービスとして提供される。

人工知能の成長を測定するポイントは、監査人が「不正に“関連する”と判断した文書」と「不正に“関連していない”と判断した文書」が、正しくスコア付けされているかどうかで判断。成長プロセスは、「成長初期」、「成長期」、「成熟期」の3つの段階に分けることができ、成熟期に到達すると、安定したメール監査機能としての稼働が確認できたことになる。

成長初期:図は、人工知能の各成長段階における典型的なサンプルと、ある実際の案件におけるメール文書の分布を並べたもの。監査人が「不正に関連する」と判断したメールであっても、人工知能は低いスコアを付けるなど、監査人の判断と人工知能のスコアに乖離があり、全体的にスコアのばらつきが発生する

成長期:「関連あり」の分布は「過去のスコアが低く、現在のスコアが高い」ことを意味する右下のゾーンに移動。「関連なし」の分布が「過去のスコアが高く、現在のスコアが低い」ゾーンに移動する傾向も発生する

成熟期:監査人が関連すると判断したメールは高いスコアに集中し、関連なしと判断したメールについては低いスコアに集中

同社では、VDSの学習機能が適切に働いているかどうか分析するコンサルティングを行ってきたが、今回の可視化の手法を用いることによって、従来よりも、より直感的に人工知能の成長過程を把握することが可能になり、成長の精度やスピードが適正であるかどうかを容易に判断することができるようになったという。