米Appleは9月9日(現地時間)、米サンフランシスコで開催したスペシャルイベントで「iPad Pro」を発表した。iPadで最大となる12.9インチのディスプレイを搭載。強化されたA9Xプロセッサは「デスクトップ並みのパフォーマンス」(Apple)を備える。純正アクセサリとして、iOSデバイス向けに初めて専用スタイラスペン「Apple Pencil」とキーボードカバー「Smart Keyboard」を提供する。

12.9インチディスプレイは、解像度が2732×2048ピクセル(264ppi)。本体サイズは305.7×220.6×6.9ミリで、重量は713グラム(セルラーモデルは723グラム)だ。大きなディスプレイはドキュメントや写真を大きく表示し、ドローイング・アプリなどでは広いキャンバスになる。従来のiPadはコンテンツを消費するためのデバイスだったが、iPad Proはクリエイティブな作業にも適している。そこでペンや筆のように使えるインプットデバイスとしてApple Pencilを用意した。高解像度のディスプレイが効率的かつ反応よく動作するように、酸化物TFT、可変リフレッシュレート、タイミングコントローラを採用し、指に加えてApple Pencilを用いたなめらかな入力を可能にした。Apple Pencilで描き始めてから画面に表示されるまでの遅れ、いわゆるレイテンシは「実質ゼロ」といえるほど小さいそうだ。筆圧に加えてApple Pencilの傾きも検出するので、極細の線から太い線、濃淡まで様々な表現を描き分けられる。

Apple Pencilの内臓バッテリーはフル充電で12時間持続、キャップを外しLightningコネクタをiPad Proに差し込んで充電する。充電する時間がない時でも、15秒間だけの充電で約30分間の使用が可能。

12.9インチディスプレイはソフトウエアキーボードをフルサイズで表示でき、快適なタイピングが可能だ。Smart Keyboardを使うと、画面をキーボードで隠すことなく、フルサイズキーボードを利用できる。Smart KeyboardはSmart Coverと同じように、マグネットでiPad Proに接続する。Smart Coverはカバーとスタンドを兼ねるが、Smart Keyboardは折りたたみ方を変えることで、スタンド状態で手前にキーボードを広げて使用できる。キーボードは全体がポリウレタンでカバーされているが、レーザーアブレーションによってキーが形成されており、一つひとつのキーが正確に反応する。

スタンド+キーボードを広げた状態(左)、スタンド(中央)、カバー(右)

A9Xチップは、CPUパフォーマンスがiPad Air 2が搭載するA8Xの1.8倍、グラフィックス性能は2倍だ。3Dデザインの作成・レンダリングや、4Kビデオのマルチストリームの編集といったタスクでもスムーズに処理できるという。

4つのスピーカーを搭載しているのも特徴の1つ。縦向き・横向きを認識し、上の2つのスピーカーがより高い周波数を優先し、常にバランスのよい鮮明なサウンドを届ける。

iSightカメラは8メガピクセル、5枚構成のF2.4レンズを備える。FaceTime HDカメラは1.2メガピクセルセンサーとF2.2レンズの組み合わせ。Wi-Fi(802.11a/b/g/n/ac)、Bluetooth 4.2、Touch IDを搭載。内蔵バッテリーは38.5Whで、最大10時間の使用が可能だ。

カラーはシルバー、ゴールド、スペースグレイの3色。ストレージは32GB、128GB。11月発売を予定しており、価格は32GBのWi-Fiモデルが799ドル、128GBのWi-Fiモデルが949ドル、128GBのWi-Fi+セルラーモデルが1079ドル。Apple Pencilは99ドル、Smart Keyboardは169ドルとなっている。