ダイハツ工業は9日、新型軽乗用車「キャスト」発表記者会見を都内で実施した。3バリエーションを同時開発し、「キャスト アクティバ」「キャスト スタイル」は9月9日発売、「キャスト スポーツ」は10月末の発売を予定している。

ダイハツ新型軽乗用車「キャスト」3バリエーションが勢ぞろい

同社は新商品の開発にあたり、軽自動車購入意向者の嗜好に関して、従来の経済性・実用性重視からデザイン・個性重視へ変化していると分析。クロスオーバーSUVなどのカテゴリーが年々伸長していることも背景に、愛着がわく普遍的な魅力を持つデザインと高い質感をあわせ持つクルマをめざし、性格の異なる3バリエーションを開発した。車名の「キャスト」は、「乗る人のライフスタイルを彩るキャストの一員」との思いが込められたという。

3バリエーションとも「コペン セロ」を思わせる丸目のヘッドランプを特徴としつつ、「キャスト アクティバ」は高い地上高と大径タイヤによるクロスオーバーテイスト、「キャスト スポーツ」は上品なメッキ加飾による都会的なテイスト、「キャスト スポーツ」は「コペン」譲りの走行性能と専用アイテムを備えたスポーティテイストの外観に。大人4人がしっかり座れるサイズ(室内長2,005mm、室内幅1,320mm、室内高1,245mm)を確保し、インテリアもひと手間加えた質感と機能美を両立させている。

「ムーヴ」で培った高い基本性能も備え、軽量高剛性ボディ「Dモノコック」をはじめ、「Dサスペンション」「Dアシスト」も採用。ロールや走行時のふらつきが少ない操縦安定性を確保するとともに、静粛性も高めた。安心・安全装備として、「スマートアシストII」も採用。「キャスト アクティバ」「キャスト スタイル」において、「e:Sテクノロジー」により30.0km/リットル(JC08モード走行燃費)の低燃費も実現したという。

「キャスト」発表記者会見にダイハツ工業取締役社長の三井正則氏も出席

ダイハツ工業取締役社長、三井正則氏によれば、「キャスト」は3バリエーションの同時開発ながら、通常より短い約10カ月の短期間で開発が実現したという。三井氏は「デザインプロセスの変更と短期開発の実現」を理由に挙げ、「コンセプトを固めてからデザインを始めるのではなく、さまざまなデザインを先行開発し、コンセプトに合わせて候補を選び、細部を仕上げることで、素早い商品化と開発期間の大幅な短縮に成功しました」と説明した。

「毎日の生活は変化に富んだドラマのようなもの。そこに登場する"キャスト"として、主役であるお客様の生活を彩る名脇役でありたい。便利さと経済性に加え、車名に恥じない感性とデザインをあわせ持つクルマ、それがキャストです」と三井氏。3バリエーションの発売でダイハツの販売を牽引するだけでなく、「軽市場全体も活気づけていきたい。それができるクルマだと自信を持っています」(三井氏)と話していた。

新型軽乗用車「キャスト」の価格は、「キャスト アクティバ」が122万400~164万7,000円(税込)、「キャスト スタイル」が122万400~164万1,600円(税込)。ともにトランスミッションはCVTで、各グレードに2WD・4WDが設定される。「キャスト スポーツ」の価格は後日発表予定。3バリエーション合計の月間販売目標台数は5,000台とされている。