神奈川県、横浜市、川崎市と岩谷産業、東芝、トヨタ自動車、トヨタタービンアンドシステムは9月8日、神奈川県の京浜臨海部を対象地域として「低炭素水素」を活用する実証プロジェクトについて、具体的な実証内容などの検討を開始すると発表した。

同プロジェクトでは、再生可能エネルギーを活用した「CO2フリー水素の製造」に加え、その「貯蔵」「輸送」「利用」を含めた水素サプライチェーンの構築を通じて、水素利用における簡易な統合的システムを実現し、将来の地域展開と地球温暖化対策への貢献を目指す。具体的には、1)風力発電(ハマウィング)により水を電気分解して水素を製造するシステム、2)最適な水素供給を行うための貯蔵と輸送の仕組み、3)燃料電池フォークリフトの導入利用、4)水素サプライチェーンの事業可能性調査(水素価格、CO2削減量など)という4つのテーマを設定し、プロジェクトを推進する。

同実証プロジェクトは4年間の予定で、2015年から具体的な検討を進め、2016年4月以降、本格的に実証を開始する。実施にあたっては9月7日に「委員会」を立ち上げ、横浜国立大学の太田健一郎 名誉教授と筑波大学の内山洋司 名誉教授が学識経験者として参加する。今後、同委員会において、本格実証の方向性や実証後の目指すべき姿について議論を重ねつつ、地域における協力体制を構築し、具体的な実証内容の検討を進めていくことになる。

京浜臨海部での低炭素水素活用実証プロジェクトによるサプライチェーンのイメージ