『デスノート』超難役に挑んだ優希美青とは? 驚異のスピード出世と、意外な落とし穴からの復帰

 

ドラマ『デスノート』で、主人公の夜神月(窪田正孝)を追い詰めるニア役にキャスティングされた優希美青。これまで出演シーンは少なかったが、8月30日の放送でL(山崎賢人)が死んだことによって、いよいよ活躍のときが訪れた。

ただ、ニアは実写映画で描かれなかったキャラであり、「男か女かすらわからない上に、極端な二重人格」という超難役。ネット上には優希の演技に対する賛否両論が飛び交っているが、ニア役が月役やL役よりも難易度の高いのは間違いないところ。演技経験わずか2年の優希がなぜ抜てきされたのか、その魅力とともに探っていく。

10代半ばで早くも朝ドラ2度出演

女優の優希美青

まずは優希の芸能生活を振り返っていこう。2012年の夏、13歳で挑んだ「ホリプロスカウトキャラバン」でグランプリを獲得。受賞からわずか2カ月後にCM出演し、さらには写真集を発売するなど、華々しいスタートを切った。

翌2013年にはドラマ『雲の階段』で女優デビュー。"大型新人女優の王道"と言えるヒロインの妹役をソツなくこなした。一方、映画では『空飛ぶ金魚と世界のひみつ』(13年)で早くも初主演。中国人の継母に戸惑う中学生役でみずみずしい演技を見せた。

しかし、何と言っても印象深かったのは、朝ドラ『あまちゃん』だろう。能年玲奈演じる天野アキらとアイドルユニット・GMT47の小野寺薫子役で出演。「ずんだ、ずんだ~、ずんだ、ずんだ、ずんだ~」と歌う宮城県のご当地アイドルの役だったが、メンバーの中でも正統派美少女キャラとして、映画ヒロインの座を最終審査までアキと争った。また、東日本大震災のシーンでは、自身も被災地の福島出身であることからシリアスな演技を披露。多くの共感を集め、優希の名を全国に知らしめた。

ここまで芸能活動開始からわずか1年。まさに原石としての輝きがなせる驚異のスピード出世であり、続けざまにドラマ『ハクバノ王子サマ 純愛適齢期』にレギュラー出演、2014年には映画に注力して『乙女のレシピ』『トリハダ-劇場版2』『神さまの言うとおり』に出演し、演技を磨いた。

さらに、今年2月から再び朝ドラ『マッサン』に出演。マッサンとエリーの養女・エマ役を演じるなど、10代半ばで2度目の朝ドラオファーを受ける大器ぶりを見せた。しかし、順風満帆な優希に、思わぬアクシデントが訪れる。

姉世代の中で奮闘した『あまちゃん』

好事魔多し。今年1月に体調不良を訴え、予定されていたサイン会やCDの発売を中止。所属事務所は、「体調が回復するまで活動休止」を発表し、「復帰時期が未定」だったことから「重病ではないか」と心配の声が上がっていた。

それから約半年後の7月、優希は『デスノート』での活動再開を発表。これまでは10代半ばという年齢だけに学生役がほとんどだったが、ロングヘアをバッサリ切ってニア役に挑むことになった。二重人格の"子どものような言葉づかいといたずらっぽい笑顔"はこれまでの延長線上としても、"荒々しい言葉づかいと悪魔のような顔"は新たな一面。振り幅の大きなキャラだけに、演じられる役柄が広がったのは間違いない。

あらためて『あまちゃん』の東京編を振り返ってみると、能年玲奈、松岡茉優、大野いと、山下リオ、足立梨花らネクストブレイクの若手女優が勢ぞろい。しかも優希より4~7歳年上であり、経験や実績も先輩格の中に入って、堂々と肩を並べていたのだ。ひるがえって優希の同年代には、アイドルやモデルはいても華のある女優は少なく、必然的に今後チャンスは増えるだろう。

やはり女優・優希美青の出演作品は、まだワーキングウーマンが難しい以上、学園モノが中心になりそうだ。ただここ数年間、学園ドラマは激減しているだけに、映画での活躍が増えるかもしれない。また、主人公の娘役を演じる家族モノへの出演も増えるのではないか。

ちなみに、優希は今年出演した映画『極道大戦争』で、"ヤクザ女子高生"というユニークな役を演じた。同作と『神さまの言うとおり』の監督は三池崇史であり、その他にも『暗殺教室』の羽住英一郎監督、さらに『あまちゃん』の井上剛や、『デスノート』の猪股隆一らの演出を、今まさにグングン吸収している成長期なのだろう。

東北女性らしい芯の強さで大女優へ

会見やインタビューを見る限り、優希は美少女のたたずまいとは裏腹に、大の負けず嫌いであることがわかる。「ホリプロスカウトキャラバン」でZARDの『負けないで』を選んで歌うくらいだから筋金入りだ。しかも東北出身の女性らしく、静かに闘志を燃やすタイプで、だからこそ体調を壊すほど頑張り過ぎてしまったのかもしれない。

もう1つ、優希と話していて感じたのは、常に聞き手の目をじっと見て、自分の言葉を届けようとしていること。「ホリプロスカウトキャラバン」の受賞コメントで「私がグランプリを取ったら東北の人が少しでも元気になってくれるといいなと思って応募しました」と言ったり、地元の福島弁を使って出演映画をPRしたり、悔し泣きするほど打ち込んだクラリネットへの情熱や、『名探偵コナン』への溺愛を語るなど、表現者としての強い資質を感じる。

優希の目指す"憑依系の女優"への道のりはまだまだ険しいが、近い将来、土屋太鳳のように「3度目の正直」で朝ドラ主演を射止めるかもしれない。そして事務所の先輩であり、憧れの石原さとみ、綾瀬はるか、深田恭子の後を追って、連ドラ主演の常連になれるか。もし優希が今の歩みを止めなければ、2020年代には国民的女優になっているかもしれない。「優しく、希望があり、美しく、青い」とエレガントな文字が並ぶ女優名が、どんな輝きを見せるのか楽しみだ。

■木村隆志
コラムニスト、テレビ・ドラマ解説者、タレントインタビュアー。1日のテレビ視聴は20時間(同時視聴含む)を超え、ドラマも毎クール全作品を視聴する重度のウォッチャー。雑誌やウェブにコラムを提供するほか、取材歴2000人超のタレント専門インタビュアーでもある。著書は『トップ・インタビュアーの聴き技84』など。

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