日立製作所は9月4日、企業が使う業務システムに日々蓄積されるビッグデータから、需要変動や業務現場の改善活動を理解し、適切な業務指示を行う人工知能を開発したと発表した。

今回開発した人工知能は、作業者の工夫や改善が加わることによって生まれた結果を自ら取り込んで解析することで、より高い効率を生み出す結果を選び出し、次の業務指示に反映する。

現場の作業者の工夫や改善を人工知能が理解し、業務指示に反映する動作を日々繰り返し行うことで、人と人工知能が相互に協力し、業務効率を継続的に高めることができる。

従来の業務システムは、短期的な天候不順や突発的な需要増加などに対は対応できないが、同社が開発した人工知能は、過去の業務内容や業務実績などのビッグデータから、作業内容や作業量、天候など当日の業務状況に近いデータを自ら選択して解析することにより、短期的な天候不順や突発的な需要変動に対しても適切な業務指示を行うことができる。

そのほか、同社の人工知能は、データの統計的な分布を解析し、事前に数量や時間、商品コードなどのデータ形式を自動判別することにより、新たに追加されたデータを人の手を介さずに素早く取り込むことが可能。これにより、日々の作業者の工夫や需要変動を自動的にシステムに反映することが可能になり、タイムリーに業務指示へ反映させることができる。

同社は、今回開発した人工知能の効果を確認するため、物流倉庫管理システムに組み込み、物流倉庫における集品作業の効率性を測る現場実証を行ったところ、人工知能を管理システムに組み込まない場合と比較して8%の作業時間短縮を確認したという。

同社が開発した人口知能を用いて業務生産性をシミュレーションで検証した結果