日立製作所は9月4日、野村証券の本社・営業店の約1万5000人が利用する仮想デスクトップ環境(Virtual Desktop Infrastructure:VDI)のシステム基盤を構築し、本社・全営業店で稼働を開始したと発表した。同システム基盤は、2014年度に順次導入が進められていた。

システム基盤には、日立アドバンストサーバ「HA8000」約300台と、ユニファイドストレージ オールフラッシュモデル「Hitachi Unified Storage VM all flash9台など採用。サーバOSには日本マイクロソフトのMicrosoft Windows Server 2012 R2を採用し、同OSに搭載されている仮想化機能「Hyper-V 」などを活用してクライアントOSが動作するVDIを構築した。

野村證券のVDIのシステム構成図

野村証券では、情報漏洩を防止するため、外部ネットワークから遮断された企業内ネットワーク接続用環境と、社外とのメールの送受信やWeb利用などを行うインターネット接続用環境を分離してきたが、2つの環境を1つのPC内で動作させていたためPCへの負荷が大きく、応答速度の改善が課題となっていた。

今回、インターネット接続用環境をVDIへ移行してデータセンターで統合管理することで、PCの負荷を軽減して操作性を向上するとともに、ユーザープロファイルディスク機能などの活用により、インターネット接続用環境へのログインに要する時間を従来の数分から数十秒へ短縮したという。

また、基盤のOS領域に重複除去機能を採用し、Windows 7のシステムファイルなど、各ユーザーのVDIで共通して保存されるデータを共有することでディスクの利用効率を向上しているほか、ユーザーグループごとに独立した構成を採用し、障害発生時の影響を最小化するなど、業務継続性も強化している。