京都鉄道博物館(2016年春開業予定)の開設準備のため、梅小路蒸気機関車館が30日をもって営業を終了する。同日11時から、扇形車庫内(雨天時)または転車台付近(晴天時)にて、閉館セレモニーの開催が予定されている。

梅小路蒸気機関車館の資料展示館(写真左)と転車台・扇形車庫(同右)。同館は8月30日をもって閉館となる(写真はすべて2015年4月撮影)

梅小路蒸気機関車館は1972(昭和47)年10月、国鉄による鉄道100年記念事業の一環で、蒸気機関車の保存を目的に転車台や扇形車庫を備えた施設として開館した。1996年には旧二条駅舎が移築・復元され、同館のエントランス・資料展示館として使用されている。2014年、旧交通科学博物館から7100形7105号機(義経号)を移設したことで、同館の保存車両は計20両に。「SLやまぐち号」のC57形1号機、「SLびわこ号」のC56形180号機も、営業線での運転がないときは同館で検査・修繕を受け、保存される。

同館周辺では京都鉄道博物館のオープンに向けた準備が進み、これまでに寝台特急「トワイライトエクスプレス」の24系客車、旧交通科学博物館から移設された新幹線0系などの搬入作業も行われた。京都鉄道博物館は梅小路蒸気機関車館と一体化した施設となり、梅小路蒸気機関車館の収蔵資料なども移設展示されるという。

今年7月以降、梅小路蒸気機関車館の閉館にともなうイベントも開催されており、営業最終日の8月30日も各種イベントが実施される。閉館セレモニーにはJR西日本や梅小路蒸気機関車館、京都市の関係者らが出席。扇形車庫では蒸気機関車を約3m前進させての「頭出し展示」が行われ、転車台を活用した蒸気機関車の特別展示も予定されている。

同館の動態保存蒸気機関車の牽引で運転される「SLスチーム号」も、8月30日は10時15分の始発便(第1便)から14時0分の最終便(第16便)まで15分間隔で運転。最終便が帰着した後、SL整備、転車台のSL転回、入庫まで見学可能だという。その他、特別展「さよなら梅小路 ~思い出の蒸気機関車館から京都鉄道博物館へ~」や思い出写真展、入館者を対象とした特別硬券(台紙付きD型硬券)の配布も30日まで行われる。