2015年7月より放送開始となったTVアニメ『がっこうぐらし!』より、第8話「しょうらい」のアフレコ終了後に行われた若狭悠里(りーさん)役のM・A・Oと直樹美紀(みーくん)役の高橋李依へのキャストインタビューが届いたので紹介しよう。

TVアニメ『がっこうぐらし!』、第8話アフレコ終了後のキャストインタビュー

――第8話は、なにか大きな事件があるというより、じっくりと4人の姿が描かれたエピソードになりました

M・A・O「嵐の前の静けさ、という気がしました」

高橋李依「ああ、確かに! 今回は全体を通して、すごく静かでした」

M・A・O「今回、りーさんとみーくんがしっかり会話を交わすシーンがあったんですが……」

――2人きりで正面から話し合うのは……

M・A・O「これだけじっくりと会話をしたのは、たぶん初めてです。しかも2人とも、それほどはしゃぐタイプではないと思うので、すごくしっとりとマジメな感じになりました」

高橋「やっぱり、空気が静かになりました(笑)。まさかあれだけしっとりと、2人での掛け合いが続くとは思っていなかったので、台本を読んだときはびっくりしました。あと実際に演じてみると、意外とりーさんはみーくんに不安に思っていることだったり、自分の過去を話してくれるんだな、と思いました。なんというか、みーくん自身は後から(学園生活部に)入ってきた『後輩』というポジションなんですけど、そこからひとつ壁を乗り越えたのかな? と。『この子になら話してもいい』という信頼関係が、2人の間には築かれていたのかな、と思いましたね」

M・A・O「あと印象的だったのは、みーくんが学校の設備について話す場面ですね。あまりに設備が整いすぎていて『これは……』と悩んでいると、りーさんが『自分もそう思っていた』と話す。アフレコ用のV(ビデオ)チェックでその場面を観ていたとき、ふと、めぐねえがゆきを抱きしめながら『これから学園生活部のみんなで楽しく生活するのよ』と話していた場面が蘇ってきて」

――なるほど

M・A・O「みーくんに対して、めぐねえのように振る舞えるようになっているというか、少しあの場面がフラッシュバックしたんです」

――あと今回は、回想シーンですけど、めぐねえとりーさんの会話がありました

M・A・O「はい。やっとめぐねえと会話ができました(笑)」

高橋「あれ? 今まではまったくなかったんでしたっけ?」

M・A・O「しっかりめぐねえと2人で話したのは、今回が初めてですね。あの場面を観ていて、相手がめぐねえじゃなければ、りーさんも学園生活部を提案することがなかったんだろうな、と思いました。めぐねえには、周囲を優しく包み込むような雰囲気があって、この2人は波長が合うんだろうな、と思いながら演じさせていただきました」

――もう一方のみーくんにとっても、初めてめぐねえの存在に触れ合うことになる。そういうエピソードだったのかな、と思うのですが……

高橋「そうですね、ちゃんと触れ合えたというか。『本当にここにいた人なんだな』『自分にも関係していることなんだな』と、初めて実感できた回だったのかな、と思います」

M・A・O「りーさんとみーくんはきっと、2人で夜な夜な、自分たちを取り囲んでいる現実について、話していたりするんじゃないかと思っていたんです。それが今回、はっきりシーンとして描いていただけたので『よかった! 間違ってなかった!』と(笑)。やっぱり2人はそういうことなんだよね、と思いました」

高橋「やっと言葉に出せた感じがありますね」

M・A・O「将来の話をするときも、2人で窓の外を見て『まずはここから出ないといけないよね』と話す。この2人はそういう意思の疎通ができているんだな、と思いましたね」

――いよいよ「卒業」というキーワードも出てきましたし

M・A・O「出てきましたね」

高橋「果たして、本当に『卒業』できるんですかね!?(笑)」

――みーくんは過去の経験もあるので、「いつかはここも出て行かなければならない」という思いがありそうですよね

高橋「きっとショッピングモールのときに、一度学んだんだろうなと思います。ただ、『卒業』に向けて、学園生活部のみんなの背中を押してくれるのは、きっとゆきちゃんだろうなとも思うんですよ。いくらみーくんが『行く!』と言っても、きっとみんなはついてきてくれないでしょうし

――なるほど。劇中では今後の「進路」について頭を悩ませる場面がありましたが、お2人は「進路」で悩んだことはありますか?

高橋「ありました。私は今、こうして声優のお仕事をしてるんですけど、きっかけになったオーディションを受けたのが、高校3年生の夏なんです。高校3年の夏というと、進路を決めるタイミングじゃないですか。大学に進むのか、専門学校に行くのか。あとはもう大学に行かずに養成所に通うのか……。学業の道を捨てて、声優一本で行くのか。そこは結構、悩みましたね。しかも通っていたのがちゃんとした進学校だったので、普通に受験勉強もしていたんですよ」

――そこで一気に決断しなきゃいけなかったわけですね

高橋「そうなんです。すっごく悩みましたけど、思い切りましたね。なんかこう、フラフラするより、一度決めて、ダメだったら戻ろう! というタイプなんです。とりあえずやってみよう! という」

M・A・O「かっこいい……」

高橋「いやいや!(笑) そんなM・A・Oちゃんはいかがですか?」

M・A・O「どちらかというと、ずっとフラフラしていたほうなので(笑)」

高橋「ええーっ!(笑)」

M・A・O「東京に上京したいという気持ちと、専門学校でなにか免許を取って……という気持ちの間で、すごく揺れていた時期があるんです。とりあえずどちらにも行けるように勉強を頑張って……と思っていたんですが、そのときに母から『専門学校は、入ろうと思えばいつでも入れる。自分のいちばんやりたいことを一度頑張ってみたら?』『東京に行きたいなら行きなさい』と、背中を押してもらったんです」

――そんな経験があったんですね! 上京してやりたいことは、もう決まっていたんでしょうか?

M・A・O「お芝居をしたいという気持ちがずっとあったので、上京したら、そちらの道に進みたいと思っていました。……でも、いざとなると、今度は『お仕事がきちんと決まるまでは、上京は心配だからダメ』ということになって(笑)」

高橋「えーっ! そうだったんだ」

――あっ、M・A・Oさんは大阪出身なんですね。でも全然関西弁が出ないですね

M・A・O「いえいえ、イントネーションが違うところが、いっぱいあるんです(笑)」

高橋「でも、普通に会話してても、大阪出身って全然気づかないですよ。私なんかもう、普通に話してても『埼玉でしょ?』と言われるのに(笑)」

――あはは(笑)。では最後に、今後の展開について、おふたりが気になるポイントを伺いますね。まずは高橋さんから

高橋「やっぱり太郎丸ですね。太郎丸とみーくんの関係が、このまま終わってしまうのはすごくイヤで。まだちゃんと仲直りしていないので、どうにか最終話までに、2人の関係をもう一度、やり直したいなと思います」

M・A・O「私はそうですね……。今回の第8話で重大なことがわかってしまったんですけど、わかったからといって何ができるのか……。あとお話が進むにつれて、徐々にりーさんの導火線が短くなっているような印象があるんです(笑)」

高橋「わかる! きっとなってそうだなぁー(笑)」

M・A・O「とんでもない爆弾を抱えているような気配がありますよね。その爆弾がいつ爆発するのか、ドキドキしながらも少し楽しみにしています」

――確かに怒ったら一番怖そうなのは、りーさんですよね

M・A・O「今までも冗談っぽく『ダメでしょ?』と怒る場面はあったんですけど、カッと怒るところまでは行ったことがないんです。でも、だんだん沸点が低くなってきているというか(笑)。例えば『どうして覚えてないの?』とか、今までであれば言わなかったであろうセリフが、少しずつこぼれてきているんですよね。そのあたりが、個人的には怖いけど、楽しみにしているところです」

高橋「『怖いけど楽しみ』って、すごくわかります。……怖いけど!(笑)」

TVアニメ『がっこうぐらし!』は、毎週木曜、TOKYO MXほかにて放送中。なお、2015年9月26日には、Blu-ray/DVDの第1巻がリリースされるので、あわせてチェックしておきたい。

(C)Nitroplus/海法紀光・千葉サドル・芳文社/がっこうぐらし!製作委員会