BS-TBSは28日、東京・赤坂の同局で10月改編の説明会を開催し、平日の夕方に、民放で初めて米ドラマ『刑事コロンボ』全シリーズを放送することを発表した。

BS-TBSの高田卓哉常務(左)と佐藤秀一編成部長

同作は、トレードマークのベージュのヨレヨレコートに、「うちのカミさんが…」という口癖で、次第に犯人を追い詰めていく人気ミステリー。放送時間は、地上波でニュース番組が放送されている毎週月曜17時~18時54分の2時間枠で、10月5日からスタートする。さらに、10月3日18時30分からは、TVムービー版の『殺人処方箋』(1968年)、翌4日15時からは、パイロット版の『死者の身代金』(1971年)も放送する。

同局は、全日視聴率1位という目標を掲げる中で、野球シーズンが終了する10月以降が勝負のタイミングと考えており、平日のベルト編成を強化すべく『コロンボ』の放送を決定。佐藤秀一編成局編成部長は「この編成が10月の大きなヘソになる」と、攻勢の中心的な位置づけであることを説明した。

このほか、同局の人気番組『吉田類の酒場放浪記』(毎週月曜21:00~22:00)に続く、新たな看板番組を目指し、プライムタイムで2本の新番組を開始する。

10月5日からは、TBS系列各局が制作するドキュメンタリーを、俳優・中村雅俊のナビゲートで紹介する『マンデードキュメント』(毎週月曜19:00~19:54)がスタート。初回は、中村の出身地である宮城県・女川が舞台の東北放送制作『震災の記憶 未来の命を守るために~大川小 遺族の2年』を放送し、中村はスタジオを飛び出して、現地の大川小学校から出演する。

そして、10月7日からは、外国人特派員が日本のニュースを斬る『外国人記者は見た! 日本inザ・ワールド』(毎週水曜22:00~22:54)を放送。パックンことパトリック・ハーランと、TBSの出水麻衣アナウンサーがMCを務め、日頃のニュースに対する新たな視点を提供する。毎回日本人のジャーナリストもコメンテーターとして出演し、初回は田原総一朗氏が出演する。

同局では、この2つの新番組によって、地方からの目線と、外国からの目線で、日本について考えていくということを、今回の編成に意図している。

BS-TBSの高田卓哉常務は、今年4月から、機械式の視聴データが出るようになったことで「非常に環境が変わった」と説明。それでも"正解はCMの後"のような地上波で行っているテクニカルな視聴率向上策を行うのではなく、「企画内容、コンセプトに共感を得ていただくような、じっくり落ち着いた番組作りを目指す」と強い決意を語った。