JR西日本金沢支社は21日、七尾線観光列車「花嫁のれん」の報道公開を実施した。キハ48形2両編成(キハ48-1004、キハ48-4)を使用し、全車指定席の特急列車として、10月3日から金沢~和倉温泉間(金沢~津幡間はIRいしかわ鉄道線)で1日2往復運転される。

七尾線観光列車「花嫁のれん」(キハ48形)が報道公開された

「花嫁のれん」は北陸デスティネーションキャンペーン(北陸DC)に合わせて導入される観光列車で、「婚礼の際、大切に育て上げた娘の幸せを願って、色鮮やかなのれんを嫁ぐ娘に持たせる風習を列車名に採用しました」(金沢支社)とのこと。「和と美のおもてなし」をコンセプトに、外観・内装ともに輪島塗りや加賀友禅、金沢金箔など北陸の伝統工芸をイメージしたデザインとなっている。

同列車の定員は52名(1号車24席、2号車28席)。1号車は8つの半個室と物販スペースからなり、半個室はそれぞれ「桜海の間」「撫子の間」「扇絵の間」「鉄線の間」「菊の間」「笹の間」「錦秋の間」「青の間」の名称を持つ。通路には日本庭園の飛び石をイメージした絨毯(じゅうたん)が敷かれている。今回、物販スペースの客室側壁面と、付近の伝統工芸品展示スペースの背面を金沢金箔で装飾することが新たに発表された。

2号車は2人掛け・4人掛け座席のほか、窓向きに配置された座席も。紅色の生地と背面の木の格子が特徴的なオリジナル回転椅子を使用し、各座席にテーブルも設置した。イベントスペースも設けられ、土日を中心に、地域色のある催しや地元産品の試食・販売を行う車内イベント「楽市楽座」を実施するという。

その他、「和軽食セット」「スイーツセット」「ほろよいセット」など食のサービスの提供、能登や金沢の風土が育てた伝統工芸品の展示も予定されている。

「花嫁のれん」を前に関係者らが挨拶

1号車の物販スペース。客室側壁面と伝統工芸品展示スペースの背面が金沢金箔で装飾される

報道公開にはJR西日本金沢支社長の野中雅志氏、「花嫁のれん」の内装デザイン・インテリアプランを手がけたデザイナーの井上昭二氏、金沢金箔の装飾の施工会社である箔一の代表取締役社長、浅野達也氏らが出席。車内アテンダントの衣装も披露された。「『花嫁のれん』は北陸DCの目玉のひとつ。色鮮やかな赤、輪島塗りを思い起こさせる黒、伝統工芸品にちなんだ模様をあしらい、加賀・能登をイメージしやすい、非常に良い列車になったと自負しています」と野中氏は述べた。

七尾線観光列車「花嫁のれん」の運転時刻は、「花嫁のれん1号」が金沢駅10時15分発・和倉温泉駅11時37分着、「花嫁のれん2号」が和倉温泉駅12時7分発・金沢駅13時21分着、「花嫁のれん3号」が金沢駅14時15分発・和倉温泉駅15時32分着、「花嫁のれん4号」が和倉温泉駅16時30分発・金沢駅17時53分着。途中、羽咋駅・七尾駅に停車し、七尾駅・和倉温泉駅にて快速「のと里山里海」(のと鉄道)と接続する(一部列車を除く)。

「花嫁のれん」は10月3日以降、土日祝日を中心に運転されるほか、10~12月は北陸DCにともなう特別運転として、土日祝日の他に月・火・金曜日も運転される(12月8日は除く)。2016年2月28日まで運転日が決まっており、3月以降の運転ダイヤは「別途お知らせします(土・日・祝を中心に運転予定)」とのこと。