阪神電気鉄道はこのほど、新型普通用車両5700系「ジェット・シルバー 5700」の導入について発表した。営業運転開始は8月24日からとなる。

阪神電気鉄道の新型普通用車両5700系。愛称は「ジェット・シルバー 5700」に決まった

5700系は1995年にデビューした5500系以来、20年ぶりに導入される新形式の普通用車両。安全で快適な車内空間やバリアフリーの充実による「人へのやさしさ」と、環境への配慮による「環境へのやさしさ」を追求し、サービス設備の充実と新技術の採用を積極的に進めた。

万一の事故や急ブレーキ時に備えて吊手や握り棒が増設され、座席の中間と端部には仕切板を設置。車両間貫通扉を全面ガラス化して車内の開放感を向上させたほか、マイコン制御方式の冷暖房装置ときめ細かな制御により、快適な車内環境を提供する。出入口上部には32インチハーフサイズの液晶式車内案内表示器を設置し、停車駅・乗車案内などの情報をイラストや大きな文字で表示。車外行先表示器は視認性の高いフルカラーLED式とした。

主回路システムは永久磁石同期電動機を用いたVVVFインバータ制御(電力回生ブレーキ付き)を採用し、既存の普通用車両(5001形抵抗制御車)との比較で消費エネルギーを約60%削減。客室照明、前照灯、尾灯・標識灯などのすべての照明器具をLED化し、さらなる消費電力量削減を図った。ステンレス製鋼体の採用による軽量化、車体外板の無塗装化も実施し、環境に配慮している。今年度は4両1編成を導入し、その後、順次新造していく予定だという。