米AppleがNFC Forumにスポンサーメンバーとして参加したことが話題になっている。NFC Forumは非接触の近距離通信規格「NFC (Near Field Communication)」を策定する業界団体であり、Appleが最上位メンバーとして同団体に参加したのは、今後NFC規格のサポートとともに、iOSデバイスと他のNFC通信機器の相互連携を積極的に図っていくことを目指すものとみられる。現時点でApple Pay専用となっているiPhoneのNFC機能だが、今後は決済以外の用途への対応やBluetoothペアリングへの対応など、よりユーザーからみてメリットのある形で成果が出てくるとみられる。

Apple Pay以外でもiPhoneのNFC対応は進むかもしれない(写真はApple Pay使用イメージ)

同件はNFC Worldが伝えている。同誌によれば、8月11日時点でAppleがスポンサーメンバーとなり、同社Aon Mujtaba氏がNFC ForumのBoard of Directorsの1人に就任している。NFC Forumは会員メンバーにいくつかのランクがあり、最上位のスポンサーメンバーはBoard of Directorsの議席権を得ることが可能な最上位メンバーの扱いとなる。実質的主導的立場にあたるメンバー会員であり、より深いレベルでNFCの仕様策定に関わってくることになると考えられる。

現在、iPhone 6/6 Plusに搭載されているNFC機能は実質的にApple Pay専用であり、APIレベルで開発者への公開等は行われていない。機能的には類似しているもののNFCに必要な要件は満たしておらず、決済以外の用途で他のNFC機器と連携を行ったり、Bluetoothとのペアリングを行うコネクションハンドオーバーの機能は利用できない。今後はiOSデバイスにおいてこれら機能をサポートするだけでなく、認証やセキュリティ、そのほか「ウォレット」と呼ばれるさまざまな機能をスマートデバイスに集約する仕組みの構築において、Appleが積極的にかかわってくることになるだろう。