帝国データバンクと東京商工リサーチは8月10日、7月度の企業倒産の集計結果を発表した。同月の倒産件数と負債総額は、帝国データの発表では765件/1241億5700万円、商工リサーチの発表では787件/1200億6800万円となっている。

帝国データバンクの調査結果

2015年7月の全国企業倒産の件数は、前年同月と比べ9.4%減少し、4カ月連続で前年同月を下回った。同減少率は1ケタ台にとどまっており、倒産件数の下げ止まりの傾向が見られるという。

2015年7月の全国企業の負債総額は、前年同月比7.7%の増加で、3カ月ぶりに前年同月を上回った。負債総額が増加した背景には、負債10億円以上の倒産が増加したほか、1社当たりの平均負債額が約1億6200万円(前年同月約1億3700万円)となり、前年同月比18.2%増加していることが指摘されている。

全国企業倒産件数・負債総額の推移 資料:帝国データバンク

業種別では、7業種中5業種で前年同月を下回った。小売業(151件、前年同月比17.0%減)をはじめ、建設業(155件、同15.8%減)、卸売業(118件、同10.6%減)の3業種が前年同月比2ケタの減少率を記録した一方、運輸・通信業(32件、同18.5%増)と製造業(103件、同1.0%増)の2業種は前年同月を上回った。

地域別では、北海道・東北・関東・北陸・中部・近畿・中国・四国・九州の9地域中6地域で前年同月を下回った。なかでも、北陸(16件、前年同月比42.9%減)、四国(12件、同33.3%減)は前年同月比3割以上の大幅減少となった一方、九州(57件、同42.5%増)や北海道(31件、同40.9%増)は前年同月を大幅に上回った。

商工リサーチの調査結果

2015年7月の倒産件数は、、前年同月比10.7%減(95件減)で4カ月連続で前年同月を下回った。7月度としては、1990年(482件)以来25年ぶりに800件を下回る低水準だったという。この背景には、金融機関が中小企業のリスケ要請に応じていることや、大手輸出企業を中心とした業績拡大に牽引され景気が底上げされていることもあると指摘されている。

2015年7月の負債総額は、前年同月比7.2%減(94億2400万円減)。3カ月連続で前年同月を下回った。負債10億円以上の大型倒産が今年2番目に少ない20件(前年同月比4.7%減)だったのに対し、負債1億円未満の構成比が73.6%(580件)と全体の7割を占め、小規模企業の倒産が大半であることに変化がなかったとしている。

全国企業倒産月次推移 資料:商工リサーチ

産業別では、農・林・漁・鉱業・建設業・製造業・卸売業・小売業・金融/保険業・不動産業・運輸業・情報通信業・サービス業他の10産業のうち、7産業が前年同月を下回った。増加したのは、情報通信業とサービス業他(卸売業は変わらず)。

主要産業倒産件数推移 資料:商工リサーチ

地区別では、北海道・東北・関東・中部・北陸・近畿・中国・四国・九州の9地区のうち、7地区で前年同月を下回った。増加したのは、北海道と九州。