神戸市立須磨海浜水族園(兵庫県神戸市)にこのほど、「ダイオウイカ」の乾燥標本が登場した。

「ダイオウイカ」の乾燥標本が完成

ダイオウイカの、巨大乾燥標本(スルメ)が完成

特別展「須魔怪奇水族園―古今東西!水辺の妖怪」展にて展示

特別展「須魔怪奇水族園―古今東西! 水辺の妖怪」展にて、ダイオウイカの乾燥標本を展示するため、同園では神戸の水産加工食品会社の協力のもと製作に挑戦。このほどついに完成した。

同展は、"水"に関係のある妖怪や怪奇現象を、生物学と歴史学の観点から水族園独自の目線で紹介するもの。ダイオウイカは、海の怪物"クラーケン"の正体とも言われており、ぜひ展示したいと考えていたところ、様々な偶然が重なり、ダイオウイカの乾燥標本(スルメ)を製作することができたという。

今回使用したダイオウイカは、体長3.2m、体重約70kg。京都府伊根町沖で発見された個体で、京都水族館で冷凍保管されていたものを借り受けた。通常、ダイオウイカなどの貴重な標本を展示する場合、ホルマリン液に漬けること(液浸標本)で腐敗を防ぐが、これでは観覧者との距離が生じてしまう。そこで、今回はダイオウイカを触れるほど近くで観覧できるよう、乾燥標本化することにしたとのこと。

今回使用した体長3.2m、体重約70kgのダイオウイカ

「イカの乾燥標本といえばスルメでしょう! 」ということで、神戸に本社を置く「伍魚福」の協力を得て、7月16日から函館の協力工場で加工を開始。実に「8日間」もの時間をかけて、ダイオウイカがスルメとなった。

今回の個体はダイオウイカにしては小ぶりで、スルメにすることでさらに縮んではいるものの、スルメとしてはあまりにも巨大なものとなった。同展は、これまで例のないチャレンジの集大成を観覧できる機会となる。

展示予定期間は、7月30日~11月8日。展示場所は、同園 和楽園展示室 特別展「須魔怪奇水族園―古今東西! 水辺の妖怪」展内。なお、今回は初めての挑戦のため、標本の状態によっては予告なく展示を終了することがある。