東京大学は8月6日、4月に開始した寄附講座「セキュア情報化社会研究」グループ「SISOC-TOKYO」の活動を本格化すると発表した。

「SISOC-TOKYO」のロゴマーク

設置期間は2015年4月1日~2020年3月31日の5年間で、設置場所は東京大学大学院情報学環、研究寄附講座の名称はセキュア情報化社会研究グループ(英文名: Secure information society research group)。

講座は、サイバー空間に関するセキュリティ分野の課題について、文系と理系の両方から着目し、研究成果などを発信するというもの。また、セキュリティ分野の人材不足を解消するために人材育成を行う。当該分野における学際的研究部門としては日本初の試みだという。

研究方針は、理工学による自然科学的なアプローチと、経済学・法律学・行政学・社会学などの社会科学的アプローチと、異なる2種類のアプローチに重点を置く。

具体的な研究対象は、上場企業におけるセキュリティインシデント発生後の企業価値に与える影響などの社会科学的な研究群、ID管理と生体認証技術など自然科学的な研究群において研究活動を進める。

人材育成は、高度なセキュリティ専門家の養成を目的としている。他の大学・研究機関や民間企業などと連携する方針だ。ハッキング攻撃用のサイバーセキュリティプラットフォーム(演習用サイバーレンジ)を構築し、実地訓練による育成を行う。

養成プロジェクトの概要

大学連携の構築について

そのほか、日米欧亜のセキュリティインシデントの調査分析に基づき定期的な情報発信、国に対しての政策提言を行う。

今後の予定は、8月以降に共同研究課題及び研究者・サイバーセキュリティ技術専門家の公募の開始する。また、ハッキング防御技術研究のためのサイバーセキュリティプラットフォームの構築する。毎期ごとに、シンポジウム開催、サイバーセキュリティ白書の発表を行う。