アクセンチュアとNPO法人のCANVASは8月6日および7日の2日間、東京・台場の日本科学未来館において、小学校高学年の児童を対象とした「課題解決型」のロボットプログラミング講座を開催した。

同講座は、アクセンチュアが進める「イノベーション創出型STEM人材の育成」プログラムの一環として実施されたもので、単に座学でプログラムを学ぶのではなく、基礎的なロボット技術や新技術に対する社会の在り方をワークショップ形式で学ぶことで、機械工学的な発想や技術活用における政策設計の重要性といった、課題解決に向けた複合的なアプローチの必要性を理解させるというもの。

今回のプログラムで標榜されているSTEMは、「Science(科学)」、「Technology(技術)」、「Engineering(工学)」、「Mathematics(数学)」のそれぞれの頭文字から作られた造語で、米国を中心に、理工系教育の目玉として注目を集めるようになってきている。そうした背景を受け、今回の講座でも、アーテックのロボットプログラミング教材「Studuino(スタディーノ)」を用いた一般的なロボット教育に加えて、プログラミング制御が可能なドローンを教材として利用することで、新たな技術の理解と、そうしたこれまでになかった技術の活用によって生じる社会的な課題や摩擦を考えることにつなげることを目的に、アクセンチュアのコンサルタントが実際の現場で用いる思考法などを用いてともに考え、広い視点で科学技術というものを理解することを目的としている。

2日間の講座には、全国から22名の小学生が参加し、初めてのプログラミングやロボット製作に挑んでいた。今回の講座で講師を務めたアクセンチュア デジタル コンサルティング本部シニア・マネジャーの水野尊文氏は、「さまざまな角度からものごとを考えるスキームは、大人でもなかなか身に着けていないものですが、さまざまな技術が組み合わされ活用されるようになる将来、そうした力を持つことは重要となります。アクセンチュアが、実際の現場で培った知見を生かしたノウハウをじかに提供することで、子供のころから、そうした力を養う手助けができればと思っています」と、同講座に取り組む意義を語ってくれた。

なお、アクセンチュアでは、今後も継続して、STEM人材の育成に向けた取り組みを全国で行っていきたいとしており、随時、CANVASのWebサイトなどを中心に募集を行っていく予定としている。

講座の様子。青いシャツを着ているのがスタッフ。子供たちは初めてあったもの同士だが、すぐに打ち解けあっている様子が印象的であった。ちなみに講師はアクセンチュアの社員が務めており、その多くがデータサイエンスやコンサルティングの最前線で活躍しているという。水野氏もその内の1人で、当日は同氏のほかに4人の社員が参加して、子供たちの手助けを行っていた。とはいえ、基本は子供たちが自発的に考え、行動させる方針であり、アクセンチュア社員やボランティアスタッフはあくまで、プログラムの仕方のサポートや、考え方に対する提案などを行うといったものとなっていた