バスクリンの広報・石川泰弘さんが脂肪燃焼のメカニズムや「やせやすい体」を作るためのコツについて解説

「今年こそはやせよう」と一念発起し、手軽に始められるダイエットとして、ランニングに励む人も少なくないだろう。開始するにあたり初期費用はそれほどかからないし、通勤・通学では使わないコースを走れば、いつもとは異なる景色も楽しめて、ちょっとおしゃれなお店も見つけられるかもしれない。

これらのメリットがあるランニングは、有酸素運動の代表的な存在としても知られている。ただ、その有酸素運動に関し、「20分やらないと脂肪が燃焼しない」という都市伝説のような話を聞いたことはないだろうか。「10分や15分のランニングでは、十分なダイエット効果が得られない」ともとらえることができそうなこの考えは、実は事実とは異なるという。

「温泉入浴指導員」「睡眠改善インストラクター」などの資格を保持し、「たった一晩で疲れをリセットする睡眠術」(日本文芸社)などを上梓しているバスクリンの広報・石川泰弘さんは、「20分たたないと脂肪が燃えないということはない」と話す。

そもそも、体は動き始めた時点からちゃんと脂肪を使っている。運動直後は糖質がエネルギーとして消費されていくが、運動を5分、10分と続けていくにつれて、徐々に糖分の割合が減り、脂肪の活用割合が増えていくという。

時間がたつほどしっかりと脂肪が代謝されるため、「脂肪を減らしたいのであれば、20分以上運動すると効率的というのは事実ですが、『20分過ぎないと脂肪は燃えない』は言い過ぎです」と石川さんは指摘する。

また、いわゆる「やせやすい体」を作るには、お風呂に漬かるのが効果的だとアドバイスする。

石川さんによると、エネルギー消費には酸素が必要となるが、酸素は血液のヘモグロビンと結合して全身に運ばれる。このヘモグロビンは、体温(血液の温度)が上がると結合している酸素を放出しやすくなるという特徴があるため、結果としてエネルギー消費につながり、やせやすい体になるとのこと。すなわち、「お風呂にしっかりと漬かる習慣をつけたうえでランニングすること」が、効率よくジョギングダイエットをするためのポイントと言える。

ただ、デサントなどがランニングを始めた経験のあるランナー378人を対象に実施した調査によると、「毎日」や「2日に1回」などの高頻度で走っていたランナーは、途中で挫折しやすいという傾向が得られている。「適度に無理のない範囲」で走ることが、ジョギングダイエット成功へのカギとなりそうだ。