西日本鉄道は30日、柳川観光列車「水都 -すいと-」の運行開始を発表した。10月4日から西鉄福岡(天神)~大牟田間で毎日運行される。あわせてユネスコ世界文化遺産登録にともない、ラッピング電車を8月31日まで運行することも発表された。

柳川観光列車「水都」外観イメージ(画像はすべて西日本鉄道提供)

「水都」は大宰府観光列車「旅人」に続く新たな観光列車で、列車名は柳川市長の金子健次氏が命名。「大宰府と並んで人気の観光スポットである柳川への列車の旅を一層お楽しみいただけるよう、また、柳川の新たなシンボルとなるよう、車内外に柳川一色のラッピングを施した観光列車」(西日本鉄道)だという。

車両外装デザインのテーマは「柳川の四季」。6両それぞれに日本の伝統色を使用するとともに、四季ごとの風物詩をあしらい、柳川の1年の美しさを表現した。6号車(天神方先頭車)は臙脂(えんじ)色・藍色の車体に「春 -柳川まりと雛祭り-」、5号車は紺青色・藍鼠色の車体に「春 -柳の新緑と水面-」をイメージしたデザインを施した。

4号車は北原白秋の童謡「からたちの花」にちなみ、「初夏 -からたちの花-」のデザインに。深緑色・青鼠色の車体に、「白秋詩碑苑のからたちが毎年5月上旬、白い花を咲かせる様をデザインした」という。3号車は灰緑色・象牙色の車体に「初夏 -花菖蒲-」、2号車は濃藍色・瑠璃色の車体に「夏・秋 -有明海花火フェスタと白秋祭-」、1号車は漆黒色・木蘭色の車体に「秋・冬 -菊の節句と御花に越冬する鴨-」のデザインを施した。

「水都」ヘッドマーク

各車両のデザインイメージ

内装も各車両の外装に合わせ、カーテンやヘッドレストカバー、路線図などに伝統色を用い、統一感を持たせたデザインに。3号車に柳川の物産品を展示するディスプレイキャビネットと観光客向けの記念スタンプ台を設置し、4号車にて柳川の観光パンフレットや最新のイベント情報を提供する。

「水都」は10月4日から毎日運行(車両点検時は除く)。平日は西鉄福岡(天神)~大牟田間を3往復、土休日は同区間を6往復、いずれも特急として運行され、特別料金は不要で通常の運賃のみで乗車できる。9月上旬をめどに「水都」専用サイト(4カ国語対応)も開設され、運行日などの情報も掲載予定。その他、記念乗車券の発売、試乗会や出発式の開催も予定されており、詳細は「決定次第お知らせいたします」としている。

世界文化遺産登録のラッピング電車運行、780セット限定の乗車券も

世界文化遺産登録を受けて運行されるラッピング電車(8000形)の車両デザイン

西鉄天神大牟田線では7月31日から8月31日まで、福岡県内の複数施設が「明治日本の産業革命遺産 製鐵・製鋼、造船、石炭産業」の構成資産としてユネスコ(国連教育科学文化機関)世界文化遺産に登録されたことを受け、8000形(8011号列車)を使用したラッピング電車が運行される。運行スケジュールは毎日異なり、運行2日前に確定するとのこと。

西鉄天神大牟田線と筑豊電気鉄道線(黒崎駅前~筑豊直方間)の片道乗車券がセットになった「世界文化遺産登録記念乗車券」も780セット限定で発売。西日本鉄道・筑豊電気鉄道の両社初となるコラボ商品で、販売価格は1,450円。西鉄福岡(天神)駅・大牟田駅の駅事務所、筑豊電気鉄道線の黒崎駅前定期券うりば、楠橋電車営業所にて発売される。