整体師のりょうです。肩こりは生活習慣からくるものだと、これまでにも紹介してきました。言い換えれば、肩こり改善のヒントは生活の中に隠されているということなのです。そのヒントを見つけるために、私は一日の中で「ちょこっとストレッチ」をしていることがとても多くあります。

例えば、「出掛ける前に玄関で靴を履くときは、必ずアキレス腱のストレッチをする」「外から帰ってきたら、必ずふくらはぎのストレッチをする」などです。その一つひとつは、時間にすると20秒程度。今日はそんな中から、肩こり解消のためのストレッチを紹介しましょう。

出入り口ですぐできるストレッチ

今回は、部屋の出入り口を使います。生活の中で、私は写真にある出入り口を通るたびにこのストレッチをしています。一日にこの場所を5回通るとすれば、ストレッチも5回していることになります。1つのストレッチを20秒として、3種類で1分ほどですみます。一日5回通るから、合計5分のストレッチをしている計算です。その1つ目が下の写真です。左側が準備段階、右側がストレッチ中です。

部屋の出入り口を使って、日常的にストレッチ

部屋の出入り口で、両足をそろえて直立した状態から両腕をあげ、手で壁を支えたらゆっくり上体を前へ倒して20秒静止します。このとき、脇の下が伸び、肩甲骨が動いてしっかり肩が上に動くことを意識してください。身長の低い人は壁ではなく、手が届くところで大丈夫です。

かもいを持って、力を入れずにすぐできる

次に両手をドア枠に添えて行うストレッチです。同じく、左側が準備段階、右側がストレッチ中です。

力を入れず、支えるだけで大丈夫です

かもいやドア枠に両手を添えて立ちます。そこからゆっくりと上体を前へ倒すと同時に、片足を少しだけ前へ出します。足を1歩前へ出すことで、より一層効果が高くなります。先ほどと同じように、脇の下が伸び、肩が動くことを意識してください。ストレッチを20秒したら、最初の状態に戻りましょう。

3つのストレッチでたった1分!

足を引き、お尻を突き出すようにします

3つ目のストレッチは、先ほどとは逆に両足とも後ろへ1歩下げます。それが下の写真です。

これまでの2つのストレッチよりもさらに脇の下が伸びます。そして肩甲骨が寄ってくるのが分かります。肩甲骨の位置に関しては以前お伝えしていますので、併せてご覧ください。

肩こりの原因は肩だけではなく、肩周辺をしっかりほぐすことが肩こり解消につながります。今回紹介しました3つのストレッチは、それぞれ20秒ずつの合計1分で終わります。ぜひお試しください。

このストレッチで、肩こり知らずになった人も

3つ目のストレッチの変形バージョンとして、さらに効くストレッチを1つ紹介しましょう。肩や肩甲骨、脇の下、腕、背中までもがとても楽になります。下の写真は、左側が準備段階、右側がストレッチ中です。

上体を下へ倒し、肘が付いてから1分間静止します

壁に両手を突き、両足を広げて写真左側のように立ちます。ちょっとしたことですが、壁と水平に立つよりも斜めになった方が効果は大きいです。ゆっくりと上体を下向きに移動します。

このとき、肩や背中に痛みが出る人は、両手の位置を少し下げると楽になります。大丈夫な人は、両手の位置を変えずに写真右側のように、床と平行になるくらいまで上体を下へ倒します。さらに、肘が壁に付くと効果は絶大です。痛みのある人は無理のない程度に行ってくださいね。

一見すると、特に難しくもないように見えます。やっている動き自体は至って簡単です。しかし、その効果を侮るなかれ! このストレッチを覚えてから、肩こり知らずになったという人もいます。家でも会社でも、どこでもできるというメリットもあります。

ぜひ、呼吸を止めずにストレッチした状態で1分静止してください。1分の間に、どこが伸びているのかじっくりご自身の筋肉と会話してください。何度か繰り返しているうちに、いろんな筋肉が答えてくれるようになるでしょう。

著者プロフィール

鮎川 良
奈良県の学園前にて「RYO整体院」を営む整体師ランナー。整体師だからこそ分かる身体のメカニズムを基に、ストレッチの重要性を説き、クリニックも開催する。ストイックにタイムを追求するよりも、健康で楽しいマラソンライフを提案。筋肉痛になりにくい身体作りや疲労回復のケア方法、自身が提唱する疲れにくいランニングフォーム「エンジョイラン走法」で、フルマラソン走破を目指す人のサポートをしている。著書に『がんばらないで楽に長く走る』(学研パブリッシング)がある。また、累計283万アクセス超の人気ブログ「整体師に学ぶ~マラソンによる筋肉痛改善方法と、フル完走ノウハウ」も執筆している。