NHK総合のドラマ『戦後70年 一番電車が走った』の取材会が29日、東京・渋谷区の同局で行われ、キャストの黒島結菜、阿部寛、清水くるみが出席した。

ドラマ『戦後70年 一番電車が走った』の取材会に出席した清水くるみ、黒島結菜、阿部寛(左から)

8月10日19時30分から放送する本作は、原爆投下の広島を舞台に、前を向いて生きる人々を描いた作品。原爆投下のわずか3日後、1台の路面電車が焦土と化した街を走り始める。そこには、運転士を務める少女・雨田豊子(黒島)や、全線復旧に向けて奔走する松浦明孝(阿部)の姿があった――というストーリーで、実話をもとにドラマ化している。

主演を務めた黒島は、本土決戦があった沖縄出身ということもあり、「小さい頃から戦争が身近にあったので、苦しい事実もずっと目にしてきた。戦争の作品に出たかったので、10代で出演することができてありがたい」としみじみ。実話をもとにしていることから、「事実を演じるのは難しいけど、その場で感じたことをやれたらと思って演じました」と撮影を振り返った黒島は、「少女3人で川に行って、水を掛け合うシーンが好き。辛いばかりだけど、日常の中で10代の女の子らしさが見えるから」と笑顔も見せた。

また、モデルとなった雨田豊子さんとは実際に会ったそうで、「台本に書いてあるままの体験をされていて、その時の気持ちも鮮明に覚えていらっしゃった」と話した黒島は、「最後のシーンで涙が出ました。自分が出演する作品で初めて泣きました。この作品に関わることができて幸せです」とその想いもひとしお。一方、同ドラマについて、「若い時は感じなかったけど、この年になると胸に刺さります」と語った阿部は、「自分も演技者として戦争のことを伝えていかなければと思った。この作品は、若い人にも届く作品だと思う」と真摯にアピールした。