ジブラルタ生命保険はこのほど、「働く女性のホンネについての調査」の結果を発表した。調査は5月25日~26日、20歳~59歳の就業女性2,000名(各年代500名)を対象にインターネットで行われた。

結婚・出産が"仕事のやりがい"増加に…

「仕事のやりがいについて」

調査ではまず、「仕事にやりがいを感じている」と思うか聞いたところ、55.0%が「非常にそう思う(10.3%)」「ややそう思う(44.7%)」と回答した。この『そう思う』と回答した割合を配偶者の有無や子どもの有無別に見てみたところ、「配偶者がいる(63.0%)」という人は「配偶者がいない(49.7%)」人よりも高く、「子どもがいる(63.8%)」人は「子どもがいない(50.4%)」人よりも高かったことから、結婚や出産などのライフイベントが、新たな視点や気づきをもたらし、"仕事のやりがい"に好影響を与えていることが伺い知れる結果となった。

「女性の社会進出」と「男性の家庭進出」

また、女性の社会進出について「女性ならでは、母親ならではの視点は仕事に活きる」と思うか聞いたところ、「そう思う」が64.6%となった。

「女性の社会進出には、男性の家庭進出が不可欠だ」

続いて、男性の育休取得や夫婦間の家事分担などの"男性の家庭進出"についての意見として、「女性の社会進出には、男性の家庭進出が不可欠だ」と思うか聞いたところ、「非常にそう思う」「ややそう思う」と回答した人は87.7%にのぼり、特に、管理職は「そう思う」が96.3%と高く、ほとんどの方が同意を示した。

「子どもが小さいときは、できることなら家にいてあげたい」

「夫よりも収入が多いのはいやだ」

さらに、「子どもが小さいときは、できることなら家にいてあげたい」については「そう思う」が86.1%、「夫よりも収入が多いのはいやだ」では「そう思う」が26.3%となった。「子どもが小さいときは子どものそばにいてあげたいとの母心や、配偶者よりも多く稼ぐことを忌避するジェンダー(性差)意識を持つ女性が少なからず存在することも、女性の社会進出について考える際に意識する必要があるのではないでしょうか」と同調査。

「自分の収入が途絶えたら生活困窮」する既婚女性が38.2%

「もし、仕事を辞めるなどして自分自身の収入が途絶えた場合、生活への影響はどの程度か」

もし、仕事を辞めるなどして自分自身の収入が途絶えた場合、生活への影響はどの程度か聞いたところ、「生活に困窮する(どれだけ生活レベルを落としても、すぐに行き詰まる程度)」が38.2%で、最多回答となった。自身の収入が途絶えたら生活が成り立たなくなるほど、家計に貢献している状況の就業女性が多いようで、この割合は配偶者がいる方でも4人に1人の割合(25.6%)となっている。以下、「生活に我慢が強いられる(食費や教育・養育費などを切り詰めることで生活できる程度)」が22.4%、「生活に余裕がなくなる(趣味・娯楽・美容などのゆとりを減らすことで生活できる程度)」が23.9%だった。

「金銭的な問題を考慮しなくても良い場合どのような働き方が理想なのか」

金銭的な問題を考慮しなくても良い場合どのような働き方が理想なのか聞いたところ、「バリバリ働く(仕事での活躍や成功、高年収を目指す)」は9.1%で1割に満たず、「ゆるく働く(そこそこの仕事・責任で、仕事や家庭、趣味、交友のバランスを取る)」が57.0%で最多回答に、「好きなことを仕事にする(趣味を極めて収益化する、楽しく働けることを追求する)」が26.1%で続いた。また、「仕事は辞め、家庭のことに注力する(専業主婦など)」は7.8%で、こちらも1割に達しなかった。「仕事と家庭どちらかに注力するのではなく、仕事とプライベートとのバランスをとった働き方や、好きなことを仕事にするような働き方を理想としている就業女性が多いようだ」と調査では分析している。

女性が働き続けたいと思ったときの障害は「育児」

「現在の職場環境で「男女差別」や「女性らしさを強要されている」と感じたことがあるか」

次に、現在の職場環境で「男女差別」や「女性らしさを強要されている」と感じたことがあるか尋ねたところ、「女性管理職が少ない(25.6%)」、「雑用を任されやすい(25.6%)」、「男性のほうが昇給・昇格が早い(25.5%)」が上位となった。性別に関係するいじめや嫌がらせ(= ジェンダーハラスメント)関連の項目に注目してみると、「容姿や化粧、服装についての意見を言われる」が16.9%、「"女性だから"や"女性なのに"といった表現をされる」が16.8%で挙がったほか、いずれかの男女差別などの扱いがある割合は64.4%となった。

「働き続けたいと思ったときに、障害になると思うこと」

では、女性が働き続けることを希望した場合、どういった障害を取り除いていくことで女性の活躍を促進できるのだろうか。「働き続けたいと思ったときに、障害になると思うこと」について教えてもらった結果、最も多かったのは「育児や子育て(46.2%)」であることがわかった。仕事と子育ての両立に理解がない職場環境や家庭環境、社会環境が一番の障害となっているよう。次いで、「自身の健康・体力などの衰え(35.4%)」や「介護や看護(34.9%)」といった健康に関する障害が3割台、「残業などの過重労働(26.9%)」や「有給・育休などが柔軟に取れない環境(26.8%)」といった労働環境に関する障害や、「パートナーの協力不足(22.1%)」や「昇給・昇格が見込めない(21.2%)」が2割台で続いた。

上司に言いたいこと1位は「待遇改善」

「"仕事のホンネ"を安心して晒せる相手や場所」

次に、仕事の悩みや愚痴などの"仕事のホンネ"を安心してさらせる相手や場所について聞いたところ、「女友達(40.4%%)」が最も高く、次いで「パートナー(35.2%%)」「親(27.8%)」と続き、プライベートの人間関係が上位を占めた。配偶者の有無別では、配偶者がいる人は「パートナー(59.1%)」が最多で、配偶者がいない人は「女友達(38.9%)」がトップとなった。

「上司に直接言えたらスッキリすると思うセリフ」

最後に、「もし、上司に直接言えたらスッキリすると思うセリフはなにか」と尋ねた結果、「(給料やお休みなど)待遇を改善してください(21.8%)」が最多となった。現状の待遇に不満を抱き、改善を訴えたいと思っていながらも、上申することに抵抗を感じ、ホンネを飲み込んでいる方が多いよう。次いで、「指示が矛盾しています(19.9%)」や「家庭(プライベート)の方が大事です(18.2%)」、「それは私の仕事ではありません/あなたがやってください(17.0%)」と続いた。

この結果を、管理職と非管理職とにわけて比べてみたところ、管理職は「支持が矛盾しています」「それはセクハラ/パワハラです」など、指示の矛盾や職場のいじめ・いやがらせに対して意見することを我慢し、一方の非管理職は、「待遇を改善してください」や「それは私の仕事ではありません/あなたがやってください」など、待遇の悪さや業務範囲について意見することを我慢する傾向が見受けられた。