エスワンオーインタラクティブと、デジタルインテリジェンス(DI.)、AdNearは7月28日、AdNearが提供するスマートフォンの位置情報を活用したオーディエンスデータとDSPを活用し、スマホ利用者と、駅や主要幹線道路、あるいは企業の店舗所在地などの位置情報を組み合わせ、生活者セグメント、行動・生活パターンやオケージョンに応じたターゲティングが可能なオンライン広告配信サービスを共同で開始することを発表した。

東京、大阪、神奈川などの大都市圏では、スマホ利用者が5割を超え、近年、通勤・帰宅時、昼間の電車内行動に「スマホ閲覧」が最上位に登場するようになったことで、利用者に電車内での広告が見られていない状況が急速に進んでいると、DI.は分析。JR東日本は、今秋より導入予定の山手線の新型車両では、従来の「中づり広告」や「額面広告」を廃止し、デジタルサイネージ化することをすでに発表している。そのほかの鉄道会社も、2020年開催の東京オリンピックに向けて同様の計画を持っているといわれている。

DI.は、生活者のインターネット上での検索や閲覧だけでなく、実際の生活上での行動情報を「リアル行動ターゲティング」として今後注目すべき領域であると提唱しており、ブランド広告主が充分利用できるような配信規模を確保しつつ、ターゲティング精度も上げながらサービスを展開していく。

利用駅や商圏別ターゲティング例

たとえば、アルコール飲料などのプロモーションを計画する場合、「早朝から出勤し早目に帰宅する人たち」、逆に「朝はゆっくり、会社に遅くまで居る人たち」など、生活パターン(時間帯)によるセグメント別に広告を配信する。

また、地上波を主とした「テレビ広告」は、企業側の計画通りに成果を獲得できていない状況があらわになりつつある。今後、若年層に向けたテレビ広告からのアロケーションは動画広告などをとおしてスマホ中心に展開されるとみられていることから、同社では、交通広告、折込広告においても同様の需要が大きいと判断し、将来的には「リアル行動ターゲティング」が交通広告、折込広告を代替することを狙っている。

スマホの位置情報を利用した広告配信は個人情報を充分に考慮することが必要となることから、要望に応じて、位置情報を使用する施策全般に関するコンサルティングも行ない、また鉄道系エージェンシーへの商品開発コンサルティングも同時に開始する。

エスワンオーインタラクティブらは、秋の正式サービス提供開始に向けてトライアル企業を数社募り、関東圏での広告配信を実施するという。