京王電鉄はこのほど、新型VVVFインバータ制御装置の本格導入を開始するとともに、車内照明のLED化を推進し、「さらに環境に優しい電車」への移行を進めると発表した。あわせて電車がブレーキをかけた際に発生する回生電力の活用も進めるという。

LED照明を導入した車内イメージ

駅舎補助電源装置のしくみ(京王電鉄より)

VVVFインバータ制御装置は、電車の加速力や速度などに応じて電圧や周波数を変化させ、モーターを効率的に動かす装置。京王電鉄ではすでに全営業車両に導入済みだが、さらに性能を高めた新型装置を2023年度までに8000系244両に導入する。これにより、VVVFインバータ制御装置と回生ブレーキを装備していない抵抗制御車と比べて約3分の1の消費電力で走行できるようになるという。

車内照明のLED化も進め、今年度中に井の頭線145両、2018年度までに京王線588両で照明をLEDに入れ替える。従来の蛍光灯と比べて消費電力を約2分の1に削減する効果があり、年間で約150万kWh(一般家庭約400軒分)の電力を削減できるという。

その他、電車がブレーキをかけた際に発生する電力を駅設備で使用する電力に変換する「駅舎補助電源装置」を京王線高幡不動駅・北野駅に設置。余剰電力を駅の照明やエスカレーターなどで活用し、年間約48万kWh(一般家庭約140軒分)の電力削減を図る。高幡不動駅は今年度中、北野駅は2016年度中の設置をめざす。