スタジオ地図の齋藤優一郎プロデューサー

アニメーション映画監督・細田守氏の作品をテーマにした「バケモノの子展」(7月24日~8月30日)の開会セレモニーが23日、東京・渋谷ヒカリエで行われた。

7月24日に開幕する「バケモノの子展」は、現在公開中の劇場アニメ『バケモノの子』をはじめ、『時をかける少女』(2006年)、『サマーウォーズ』(2009年)、『おおかみこどもの雨と雪』(2012年)と細田守監督が作り上げた作品の魅力に迫る企画展。絵コンテやレイアウト、原画、背景美術など300点以上の資料に加え、チームラボと面白法人カヤックによる、最新デジタル技術を駆使した体験型コーナーも用意している。刀匠・吉原国家氏が手がけた『バケモノの子』の熊徹が持つ全長約128cmの大太刀や、『サマーウォーズ』の小磯健二が終盤でパソコンのキーボードを押す名シーン「よろしくおねがいしまああああす!」を体験できるコーナーなども注目を集めている。

開会セレモニーのあいさつには、日本テレビ執行役員の中山良夫氏が立ち、『バケモノの子』の観客動員数が23日時点で160万人を突破したことを発表。前作『おおかみこどもの雨と雪』を上回る好調なスタートを切っている。この記録からも、今回の企画展には多くの来場者が見込まれるが、細田作品に長年携わってきたアニメーション制作会社スタジオ地図の代表・齋藤優一郎プロデューサーは、「こんなに大それたイベントができるのか、そして、させてもらっていいのだろうかと悩みました」と吐露。細田監督にとって初めての大規模展示となる今回の企画展に慎重な姿勢だったという。

しかし、「細田守監督も常に新しいテーマやモチーフ、新しい表現にチャレンジして映画を作っています。僕たちも新しいチャレンジができれば」という思いから開催に踏み切った齋藤プロデューサーは、今回の展示に構成から参加。改めて完成した展示を見て「本当にアニメーションって美しいなと思いました。細田監督の作品が伝える主人公のバイタリティーや、自分の人生を主体的に選んで未来を切り拓いていく力強さがみなぎっている展示になっている」を自信をみせつつ、「まさしく細田作品がもっている哲学や読後感を感じることができる展示になっています。ぜひ親子一緒に楽しんでください」と呼びかけている。

開会セレモニーには、ほかにもサントリー「GREEN DA・KA・RA」のCMシリーズでおなじみのグリーンダカラちゃんとムギちゃんらが展覧会のオフィシャルサポーターとして参加。「バケモノの子展」は、7月24日~8月30日と約1カ月にわたって渋谷ヒカリエで開催される。当日券は大人が1,700円、高校生以下が900円。